映画「ステキな金縛り」、芸達者ぞろいの配役で盛り上がります

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 16:16




「ステキな金縛り」は、三谷幸喜監督作品です。失敗続きの弁護士エミが、殺人事件の被告人のアリバイを唯一証明するため落ち武者の幽霊を法廷に引っ張り出して奮闘するドタバタコメディです。幽霊が見える人と見えない人がいるという点がミソです。

これまで観た三谷幸喜監督作品で、一番楽しみました。三谷監督と私は、これまであまり相性が良くありませんでした。今回も旅館の主人の現れ方や検事の奇術は、作為的で好きになれませんが、その他は素直に笑いました。

ラストのギャグも好きです。エンドロールの心霊写真も笑えるので、お見逃しなく。

幽霊役の西田敏行をはじめ、芸達者ぞろいの配役で盛り上がりましたが、なかでも検事役中井貴一のとぼけた味が光りました。



女性の屈折、トラウマ、苛烈な欲望を描いた映画「恋の罪」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 15:44




園子温監督の新作「恋の罪」は、1990年代、東京都渋谷区円山町ラブホテル街で起きた殺人事件からインスパイアされて監督が脚本を手掛けた作品です。殺人課の女刑事、大学の助教授、人気小説家の妻の生き様が交錯します。

冒頭のショッキングな遺体の場面にはたじろぎましたが、全体としては前作「冷たい熱帯魚」ほどのグロテスクさはありません。そして、ラストにはユーモアさえ漂います。

壮絶な女性映画です。普通なら水野美紀の熱演が高く評価されるでしょうが、冨樫真の怪演の前では、かすんでしまいました。そして神楽坂恵はあまりにも素晴らしくて園子温監督と婚約してしまいました。3人のほかに、大方斐紗子の貫禄の演技にも驚かされます。

女性の苛烈な欲望を描いていますが、カフカの「城」が象徴的に使われ、詩人・田村隆一の「帰途」が繰り返し引用されます。そして、マーラーの交響曲第5番が映像を荘厳に染め上げます。

女性たちの屈折、トラウマをテーマにしているので、ベルイマンの作品を思い出しました。



映画「インモータルズ 神々の戦い」の空中戦の美しさは比類がありません

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 14:40




ターセム監督の「インモータルズ 神々の戦い」は、ギリシャ神話を題材に描くアクションスペクタクル。壮大で眼もくらむような映像美の世界です。とりわけ、ラスト、神々の空中戦の美しさは比類がありません。

ただ、前作「落下の王国」のような映像美ではなく、「300」のような残酷美がまさっていました。予告編から、想像する映画とはかなり違った印象を持つはずです。だから、すべての人にお勧めはできません。

映像のキレは良いのですが、ストーリーのキレは、イマイチです。

ここまで吹っ切れた残酷表現ができるのなら、ターセム監督には、コミック「GANTZ」のシャープな切断美を実写化してもらいたいです。

予言者で主人公の恋人役として、「スラムドッグ$ミリオネア」のヒロインとして注目されたフリーダ・ピントが出演しています。インド出身の監督としては、当然の抜擢でしょう。



映画「ミッション 8ミニッツ」は、独創的な設定のパラレルワールド

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 13:50




「ミッション 8ミニッツ」は、ダンカン・ジョーンズ監督作品です。 邦題の意味が良く分かりません。「ソース・コード」という原題の方が良かったと思います。

シカゴで乗客全員が死亡する列車爆破事件が発生し、犯人捜索のためのミッションに、米軍兵士のスティーブンスが選ばれます。

事故犠牲者の事件発生8分前の意識に入り込み、犯人を見つけ出すという作戦で、何度も死を体験しながら犯人を見つけますが、同時に爆破自体を防がない作戦への疑問も抱き始めます。

かなり強引な設定ですが、少し違う同じ場面の繰り返しは、映像的には面白かったです。ある意味でパラレルワールドものといえます。

なかなかスリリングな展開ですが、多くの違った世界があるときに、ひとつの世界だけのハッピーエンドは意味がないというパラレルワールドの難問を克服していません。



CGの猿たちの動きや表情が繊細な映画「猿の惑星 創世記」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 12:47




「猿の惑星 創世記(ジェネシス)」は、ルパート・ワイアット監督作品です。新しいシリーズの始まりと位置づけられています。

薬物研究者のウィル・ロッドマンが、父のアルツハイマー型認知症を治そうと開発した新薬が、猿の知性を驚異的に発達させるというストーリーです。

父と子の感動的な物語と知性を発達させた猿たちが人間を憎む過程が描かれていきます。CGの猿たちの動きや表情が、とても繊細で、CGとは思えなくなるほどです。

知性を持ったシーザーが、自分は何者かと悩み、最初は人間の側にいようとしますが、やがて猿たちの側にまわり、人間と闘います。

父親役のジョン・リスゴーの演技が素晴らしかったです。
「スラムドッグ$ミリオネア」のヒロインとして注目されたフリーダ・ピントがウィルの恋人役で登場します。



最初から最後まで佐藤嗣麻子監督の映像美に酔う映画「アンフェア the answer」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 12:17




「アンフェア the answer」は、最初から最後まで佐藤嗣麻子監督の映像美に酔いました。スピーディで、きれが良くて、細部までこだわりが感じられます。監督の熱意が伝わってきます。紋別が舞台なのも嬉しいです。

誰が敵か分からない展開で、どんでん返しの連続も快感です。突っ込みどころ満載ですが、それ以上にパワフルなので気になりません。

篠原涼子は、俳優としても魅力的で存在感抜群です。佐藤監督は、彼女の凛とした美しい表情を切り取っています。謎解きを含んだエンドロールの見せ方もかっこ良くてしびれます。

パンフレットを読むと、俳優たちが「佐藤監督が一番アンフェア、佐藤監督は変態」と親しみを込めて話しているのに笑いました。



ナチスを扱った、お腹にズシリとくる重たいコメディ映画「ミケランジェロの暗号」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 07:56




ヴォルフガング・ムルンベルガー監督の「ミケランジェロの暗号」は、ナチス・ドイツを扱った、お腹にズシリとくる重たいコメディです。この作品も過酷な状況を描きながら、ユーモアに満ちた作品です。

第二次世界大戦のさなかにナチスと命賭けの駆け引きをするユダヤ人の物語です。受け身の被害者としてのユダヤ人ではなく、ナチスを手玉にとり、機転で困難を乗り越えていくユダヤ人を描いている点がユニークです。

ユダヤ人画商・カウフマン家は、国宝級のミケランジェロの絵を密かに所有していました。しかし、そのことをナチスに密告されます。一家は絵を奪われ収容所へと送られます。しかし、本物の絵は隠されていました。

ナチスは絵を取引の材料にしてイタリアと優位な条約を結ぼうとしますが、絵がにせものと分かり窮地に陥ります。そこから、とてもスリリングなサスペンスが展開されていきます。そして、最後に爽快感が残ります。見事な結末です。

ただ、邦題は、誤解を与えます。「ダビンチ・コード」のように絵に謎があるのではなく、隠し場所に謎があります。



映画を観ることの幸せを実感する、ユーモアあふれる人間賛歌「人生、ここにあり!」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 00:01




「人生、ここにあり!」は、ジュリオ・マンフレドニア監督作品です。イタリアで観客動員40万人を超え、54週ロングランを記録し、イタリアのゴールデングローブ賞を受賞した作品です。

イタリアでは精神病院廃絶法であるパザリア法(1978年制定)により、精神病院の患者たちが一般社会で暮らせるようにしようという試みが行われました。そのときの実話をもとにした映画です。病院を出た患者たちと労働組合員が一体となって仕事を見つけ。困難を乗り越えていきます。

精神障害というデリケートなテーマを扱いながら、ユーモアあふれる人間賛歌になっています。個性的な登場人物がぶつかり合い、励まし合う。患者たちが自分たちの力で自信を取り戻していきます。

けして美化するのではなく、奇麗ごとではない人間ドラマになっています。最後には、患者を薬付けにしていた医者さえも、謙虚に反省していく点が素晴らしいです。本当の意味で前向きになれる、元気にさせられる映画です。映画を観ることの幸せを実感しました。



映画「うさぎドロップ」、芦田愛菜の哀しみをたたえた眼の演技に打ちのめされました

  • 2015.12.14 Monday
  • 23:49

SABU監督の「うさぎドロップ」は、宇仁田ゆみ原作のコミックの実写化です。 27歳独身のダイキチと6歳の少女りんの、ほのぼのとした物語が続きます。

ダイキチ役の松山ケンイチは、相変わらず器用ですが、りん役の芦田愛菜の哀しみをたたえた眼の演技に打ちのめされました。うますぎます。

ただ、原作とは違う展開に、違和感を感じる人もいるでしょう。原作が地味ながら味わい深いのに対し、実写版は不自然に派手なシーンが目立ちます。とくにダイキチの妄想は、しつこすぎて興ざめしました。しかし、まあ、そこそこ楽しめる作品にはなっていたと思います。



ヒーロー批判の泥臭い映画「スーパー!」

  • 2015.12.14 Monday
  • 23:23




映画「スーパー!」は、ジェームズ・ガン監督の作品です。冴えない中年男性のフランクは、美しい妻の存在が唯一の生き甲斐だったのですが、妻の薬物依存が再発し、ドラッグディーラーのジャックに取られてしまいます。妻はリヴ・タイラー、ジャック役はケヴィン・ベーコン。フランクの怒りが爆発、神の啓示を受けて赤いコスプレヒーロー「クリムゾン・ボルト」に変身。スパナで身近な悪人をなぐり続けます。

主人公を手助けするのが、ヒーローに憧れるコミックショップの店員リビー。エレン・ペイジが、可愛くて、ちょっと怖い、ぶっとんだ演技を見せます。エレン・ペイジの魅力爆発です。生真面目な主人公と、騒ぎまくるリビーが絶妙のコンビを組みます。

映像表現が、とても泥臭いです。ことさらグロテスクさが強調され、「キック・アス」のような格好良さがありません。ヒーロー批判としては、この作品の方が鋭いですが、映画としての爽快感はありません。しかし、なかなか、考えさせられる映画でした。



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