映画「ヴィタール」は、人体解剖を扱っていながら叙情的で幻想的

  • 2015.12.31 Thursday
  • 11:22




「ヴィタール」(2004年)は、塚本晋也監督作品です。全身を揺さぶられる暴力的な塚本作品のファンにとっては、あまりにも静かな展開が物足りないかもしれません。

人体解剖という生々しいテーマを扱っていながら、この作品の基調は叙情的で幻想的です。身体に包まれた「意識」の不思議さ、「記憶」の不思議さを手探りしています。そして肉体の「もろさ」と「かけがえのなさ」が、個々人の存在の「もろさ」と「かけがえのなさ」を浮かび上がらせます。映像の静ひつな美しさが、死への思索を促します。煙突のシーンは、かつての力強い塚本映像ですが、不要に感じました。

これまでの塚本作品には不釣り合いな雰囲気の浅野忠信ですが、今回は不思議なオーラが新しい塚本映画の誕生に貢献しています。そして塚本監督は浅野忠信の不気味さを見事にえぐり出していました。クラシック・バレリーナの柄本奈美のキレの良い踊りが、作品の広がりを支えています。モデルのKIKIも尖った存在感を見せました。

塚本監督は「鉄男」から「双生児(GEMINI)」まで手回しのフィルム編集機を使ってきましたが、今回初めてFinal Cut Proでデジタル編集しました。これまでは4カ月かかっていた編集作業が1日で終わったとか。音と絵のシンクロが非常に簡単にできるなど、1人で編集全体が進められるので、とても効率的だったらしいです。



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