映画「僕はイエス様が嫌い」の得体の知れなさ

  • 2019.08.30 Friday
  • 07:23



「僕はイエス様が嫌い」は、奥山大史(おくやま・ひろし)監督が、脚本、撮影、編集も手がけました。大学の卒業制作で、初の長編作品です。第66回サンセバスチャン国際映画祭の最優秀新人監督賞を、22歳の史上最年少で獲得し、注目されました。

 

映画は、死を前にしたおじいちゃんが、障子に穴を開けて外を覗く意味深な場面から始まります。そして、ラスト近くでは、主人公のユラが障子に穴を開けて外を覗くシーンが登場します。

 

その家に、家族とともに主人公のユラが引っ越してきます。ミッション系の小学校に転入し、同級生のカズマと友達になります。そして、ユラの前に小さくて可愛いイエス様が現れます。

 

折り畳んだ千円札とイエス様の紙相撲というアイデアには、笑いました。イエス様は、ときにコミカルで、礼拝堂だけでなく、ユラとともに神社にもやってきます。さりげなく、宗教を横断する柔軟性にハッとします。

 

ロイ・アンダーソン監督の映像手法の影響を感じますが、天才的なアングルや光の演出は奥山監督の独自の才能です。

 

監督自身、小学校5年生の時に、仲のよかった友達が亡くなるという体験をし、この作品は、そこから生まれました。宗教的な作品というよりは、少年の体験した「死」をテーマにした作品です。

 

監督は、「狭い意味での宗教を深く信仰しているわけではないけれど、自分たちの常識を超越するなにかがあるとは思っている」と話しています。

 

私が初めて出会った奥山監督の作品は、「Tokyo 2001/10/21」です。簡易カメラ「写ルンです」で撮影した3000枚の写真で構成した切り絵アニメでした。とぼけた味ですが、毒を含んだ見応えのある人間ドラマになっています。主演の大竹しのぶのうまさとともに、若い監督の人間観察力にも驚かされました。

 

「僕はイエス様が嫌い」は、「Tokyo 2001/10/21」とは、かなり違う作風ですが、得体の知れなさは共通しています。


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