アニメ「天気の子」、議論を巻き起こす壮大な実験作品

  • 2019.08.30 Friday
  • 07:20



新海誠監督の新作アニメ「天気の子」は、もうご覧になりましたか。期待を裏切らない作品に仕上がっています。いや、期待以上の驚きを与えてくれました。

 

歴史的な大ヒットを記録した「君の名は。」から3年。新海誠監督が、どんな新しい作品を届けてくれるのか、とても楽しみにしていました。「天気の子」を観て、監督が驚くほど冷静な作品づくりをしていることに感動しました。そして、揺るぎない作家性にも心を打たれました。

 

制作スタッフは、「君の名は。」とほぼ同じですが、組織体制は変わっています。 プロデューサーの古澤佳寛、川村元気の両氏は、東宝を飛び出し、2017年9月に新会社STORYを設立しました。このSTORYが企画・製作に当たりました。そのことで、新海監督の大胆な挑戦が可能になったのだと思います。

 

16歳の高校1年生の男の子が、島から家出し、東京にやって来ます。オカルト雑誌のライターの仕事を始めますが、不思議な少女と出会います。彼女には、「祈る」ことで天気を晴れにできる能力がありました。

 

その力で、仕事を始め注目されますが、物語は意外や方向へと発展していきます。雨の表現は、ますます多彩になりました。そして天候による都市の表情の変化の美しさには目を見張りました。世界を輝かせる新海マジックは、健在でした。

 

主人公の森嶋帆高の声優は、醍醐虎汰朗。彼と出会う少女・天野陽菜の声優は森七菜が担当しています。2000人のオーディションの中から選ばれました。初々しくてなかなか良かったです。

 

空前のヒットを記録した「君の名は。」ですが、2000万人以上が観たことで、予想外の批判も起こりました。新海監督は、それを前向きに受け止め、あえて賛否の分かれるストーリーにしています。とても楽しい映画ですが、議論を巻き起こす壮大な実験作品でもあります。

 

雨が降り続く東京が舞台。大雨被害が相次いでいる天候不順な時期に公開されたことで、「天気の子」の世界は、異様なリアルさを持ち始めます。新海監督の時代感覚の鋭さを感じさせます。そして地球規模の長期的な視点が、印象的でした。

 

公開初日は、7月19日。京都アニメーションの放火事件の翌日でした。新海監督は、舞台あいさつで悲惨な事件に触れながら、「どういうことがあったとしてもエンターテインメントを作って表現することで自分たちや誰かを傷つける可能性もゼロではないけれど、怯まずに、それをやり続けていくことが自分たちの役目であり、一番やりたいことなんだなと改めて思いました」と、作品を作り続ける決意を述べています。その言葉に、うたれました。

 

今回もRADWIMPSが音楽を担当しています。効果的な曲が、作品をより豊かな世界へと高めています。中でも、女性ボーカルとして三浦透子が参加した「グランドエスケープ」は、深い感動を運んできました。

 


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