女性映画監督15人の短編オムニバス映画「21世紀の女の子」

  • 2019.05.28 Tuesday
  • 18:56



「21世紀の女の子」は、山戸結希(やまと・ゆうき)監督が、企画・プロデュースを手がけ、自身を含む1980年代後半〜90年代生まれの女性映画監督15人がメガホンをとった短編オムニバス映画です。


「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」を共通のテーマに、各監督が1編8分以内の短編として制作しました。

 

「21世紀の女の子」は、既存の「女の子」の狭いイメージを壊しつつ、「女の子」の多面性を肯定する試みです。「女の子」という型にはまった作品ではなく、さまざまな「女の子」が登場します。

 

安川有果(やすかわ・ゆか)監督「ミューズ」から始まりました。監督の美意識が凝縮された作品にうちのめされます。次の竹内里紗(たけうち・りさ)監督の「Mirror」も、同性愛をめぐる緊張度の高い作品です。東佳苗(ひがし・かなえ)監督「out of fashion」は、柔らかな映像ながら生き方を鋭く問います。3作品とも濃厚な作品で、かなり疲れました。このままノンストップで15作品を見続けられるか、不安になります。

 

しかし枝優花(えだ・ゆか)監督「恋愛乾燥剤」は、軽めの学園コメディで助かりました。全体にシリアスな内容が多いものの、温泉旅館が舞台の首藤凜(しゅとう・りん)監督の「I wanna be your cat」、中華料理店が舞台の山中瑶子(やまなか・ようこ)監督の「回転てん子と、どりーむ母ちゃん」など、独特なユーモアを漂わせた作品もあり、表現の多様性に癒されます。なかなか新鮮な体験でした。

 

映画界で、パワハラやセクハラが問題になりましたが、根底には差別に支えられた閉鎖性があると思います。メジャーの映画を監督した女性は、この20年で3%というデータがあると山戸監督が話していましたが、映画という表現も多様に見えて、狭い枠に閉じこもっているのかもしれません。「21世紀の女の子」は、そういう閉鎖性への挑戦でもあります。

 

ラストに置かれた山戸結希監督の「離ればなれの花々へ」は、大きな広がりを持つ「女の子」の肯定であるとともに、映画という表現への揺るぎない信頼を感じました。

 

映画のポスターは可愛らしいですが、作品自体は衝撃的な内容が多いです。

 

エンディング曲「LOW hAPPYENDROLL -少女のままで死ぬ-」も、可愛らしい声ですが、歌の内容はかなり辛辣です。

 


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