2018年独断映画ベスト10-洋画ベスト5

  • 2018.12.23 Sunday
  • 21:05


 

 

私が2018年に劇場で見た映画に限っていますので、ご理解ください。

 

 

 

★5位「エンドレス・ポエトリー」
監督・脚本はアレハンドロ・ホドロフスキー。監督の青年時代をマジック・リアリズムの手法で、みずみずしく描いています。冒頭での書き割りの街並みと機関車の登場、画面の隅で活躍する黒子たちのお遊びを楽しみながら、ホドロフスキー・ワールドに飲み込まれていきます。

過去を振り返る作品ではありません。過去を生きなおしている青春映画です。88歳になるアレハンドロ・ホドロフスキーの中には、少年時代、青年時代の自分が、共生しています。

いつも歌っている愛情に満ちたホドロフスキーの母親と、強烈な個性でホドロフスキーに影響を与えたアーティストのステラ。対照的な役をパメラ・フローレスが一人二役しています。驚きました。

フランス、チリ、日本の共同製作で、新作を望む世界中のファン約1万人からクラウド・ファンディングで資金の多くを集めました。そしてR18ながら、無修正で日本で劇場公開されました。画期的なことです。


★4位「スリー・ビルボード」
アメリカ・ミズーリ州の小さな町が舞台です。娘をレイプされ殺された主婦のミルドレッドが、犯人を逮捕できない警察に抗議し、警察署長あてに巨大な広告看板を出します。警察署長のウェルビーは、住民に信頼され、しかも末期がんだったので、ミルドレッドへの批判が高まります。

物語は、広告看板をきっかけに、様々な人間関係、差別が絡み合い、思いもかけない方向に進んでいきます。人間の多面性を浮き彫りにしながら、人間関係が変化していきます。その絡み具合が巧みです。実に見事な脚本です。

「スリービルボード」の素晴らしさは、止むに止まれぬ母親の無念の思いから始まって、アメリカの中東戦争の意味にまで踏み込んでいく点です。

 

★3位「シェイプ・オブ・ウォーター」
敬愛するギレルモ・デル・トロ監督の「シェイプ・オブ・ウォーター」。半魚人と声が出せない女性のラブストーリー、ファンタジーです。艶のある映像に加え、孤独な少数者、マイノリティへの愛、往年の映画への愛が詰まっています。

マイナーな監督が「完全オリジナル作品」で、第90回アカデミー賞の作品賞をはじめ監督賞、美術賞、作曲賞の4冠に輝きました。歴史的な快挙です。

1962年、冷戦下のアメリカが舞台です。政府の極秘研究所で清掃員として働く女性イライザは、密かに運び込まれた半魚人のような不思議な生き物を目撃します。こっそり会うことを繰り返すうちに、心を通わせていきます。異形の存在との生々しい恋愛劇です。

深く心を揺さぶられたデル・トロ監督の「パンズ・ラビリンス」には及びませんが、「心に残る傑作」であることは間違いありません。

 

★2位「ラッキー」
「ラッキー」は、俳優として活躍してきたジョン・キャロル・リンチが監督した映画です。主演のハリー・ディーン・スタントン自身の姿に重ねて、偏屈なアウトローが人生の最後にある境地に達するまでを描いています。

スタントンは、「パリ、テキサス」「エイリアン」で有名な俳優です。2017年9月15日に91歳で亡くなっています。「ラッキー」は、遺作です。

90歳の無神論者ラッキーは、アパートで一人暮らしを続けています。なじみのカフェでコーヒー片手にタバコを吸っています。バーではカクテルを飲み、常連客たちと時間を過ごします。しかしある日、彼は突然意識を失います。原因は不明でしたが、人生の終わりが近いことを実感し、死について思いを巡らせます。 

淡々とした展開が続きますが、アッと驚く場面が登場し、思わず身を乗り出してしまいました。ラッキーの長い人生での蓄積と才能が垣間見えます。実に味わい深い作品でした。

 

★1位「ボヘミアン・ラプソディ」
「ボヘミアン・ラプソディ」は、ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さで亡くなったフレディ・マーキュリーを描いた伝記映画です。クイーンの現在のメンバー、ブライアン・メイとロジャー・テイラーが、音楽総指揮を担当し、楽曲にはフレディ自身の声を中心に使っています

手拍子や声出し、拍手がOKの応援上映回に観ました。会場が一体となって手拍子し、歌って、拍手しました。

興奮は、20世紀最大のチャリティーコンサート「ライヴ・エイド」での20分に及ぶ「クイーン」の再現場面でピークに達します。スタジアムを埋め尽くす7万5000人の観衆とともに、ライブ会場にいるような高揚感を味わいました。

クイーンのコンサートは、観客と一体になる参加型のコンサートでした。応援上映は、まさに参加型で劇場が一体になり、クイーンの映画にぴったりでした。

映画は、無駄がなく、テンポ良く進みます。「ボヘミアン・ラプソディ」や「ウィ・ウィル・ロック・ユー」といった名曲が誕生する瞬間には、胸が熱くなります。

著名人の伝記映画は、苦悩と葛藤を過剰に描きがちです。その点「ボヘミアン・ラプソディ」は、人間ドラマとしての表現が浅いという批判があるかもしれません。しかし、抑制しつつちゃんと描いています。コンサートの熱狂とは対照的な、このさらっと感が、この作品の魅力でもあります。

フレディ・マーキュリーが親友として生涯愛したメアリー・オースティンとの距離感の表現も的確です。ストレートの女性とゲイの男性との友情関係という難しいテーマを、見事に描いていると思います。


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