映画「ガンジスに還る」

  • 2018.12.23 Sunday
  • 21:02


 

 

「ガンジスに還る」は、インド映画です。1991年生まれのシュバシシュ・ブティアニ監督が弱冠24歳で手がけた長編デビュー作。しかし匠の技を感じる作品です。

 

 

 

ブティアニ監督は、ニューヨークの視覚芸術専門学校で映画製作を学び、卒業制作で撮った短編「Kush」(2013年)が、ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・短編部門で最高賞になりました。これを受けて、ヴェネチア国際映画祭の新人監督育成制度ビエンナーレ・カレッジ・シネマの対象作品として「ガンジスに還る」が製作され、2016年のヴェネチアでプレミア上映されました。

 

不思議な夢を繰り返し見て死期を悟った父ダヤは、ガンジス河のほとりの聖地バラナシの「解脱の家」に行くと言い出します。家族の反対にも決意を曲げない頑固なダヤ。仕方なく息子ラジーヴが付き添うことになりますが、ひっきりなしに仕事の電話がかかってきます。静かに死を迎えようとする人々が集っている施設「解脱の家」で、ダヤは残された時間を心穏やかに過ごそうとしますが、たびたびラジーヴと喧嘩します。しかし、父子の関係は次第に解きほぐされ、結びつきを深めます。

 

家族の姿を淡々と写す低いカメラの視線が、小津安二郎を連想させます。「死」を描いていますが、柔らかなユーモアが全体を包んでいます。頻繁に携帯電話での会話が繰り返され、インターネットのビデオチャットも登場する点が、若い監督らしいです。

 

インド流の「終活」を描いた作品です。「終活」。「就職活動」ではなく「人生の終わりに向けた準備」の「終活」が、日本でも静かに拡がりを見せています。たしかに、残された人たちに配慮する準備は必要です。ただ、生き方を縮小することとは別でしょう。新しいことに背を向けてまとめに入る姿勢は残念なことです。新しいことを拒絶し、過去に閉じこもってしまう人が多いことに驚きます。ガンジーは「明日死ぬと思って生きなさい、永遠に生きると思って学びなさい」 と言いましたが、本当にそう思います。


電子書籍
http://www.amzn.to/18ddM5v



コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< June 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

recommend

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM