「万引き家族」

  • 2018.06.29 Friday
  • 12:34


 

 

「万引き家族」は、是枝裕和監督が、万引きを繰り返す家族の姿を通して、人と人のつながりを描いた群像劇です。2018年・第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品し、日本映画としては1997年に今村昌平監督の「うなぎ」以来21年ぶりの最高賞パルムドールを受賞しました。

 

 

心に深く刺さる場面が1つでもあれば、名作と言えますが、「万引き家族」にはこれまで出会ったことがない驚くべきシーンが、何度も登場します。ラストに向けて、一人一人の秘密が明らかになっていきます。そして緊密な物語の全体が見渡せるようになります。見事は脚本です。是枝監督は、原案、脚本、編集も担当しています。
樹木希林の味わい深い演技にも感動しましたが、安藤サクラの超絶的な演技には、感嘆しました。これからの泣きの演技の原型として、歴史に刻まれることになるでしょう。この2人の怪物級の演技に比較すると、小粒ではありますが、松岡茉優も熱演しています。そして子役のうまさは、是枝作品の特徴です。
是枝監督は、「死亡通知を出さずに親の年金を不正にもらい続けていた家族が逮捕された事件」に触れて、批判するのではなく、切実な現実を感じ、「万引き家族」を制作しました。
親から虐待されている少女から、年金で暮らす高齢者まで、様々な年代の心の襞を繊細に描き出します。是枝監督の心の柔らかさ、深さ、度量の広さを感じます。
映画では、直接的には指摘していませんが、日本の政治の冷たさが背景にあります。日本政府は、「万引き家族」のパルムドール受賞にはしゃぐよりも、自らの無策ぶりを恥じなければならないでしょう。
劇場は、かなり混んでいました。初めて是枝作品を見た人も多いでしょう。わかりやすい作品ではありませんが、日本映画の底力を感じてもらえたと思います。


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