中島哲也監督の映画「告白」は、新たな探求の始まり

  • 2015.12.18 Friday
  • 14:42




「告白」は、これまでの中島哲也監督のカラフルな作品と全く違います。人間の弱さと残酷さの負の連鎖を、冷たく美しく突き詰めていきます。感情移入を遮断します。ラストに安易な希望を置きません。

松たか子の演技が凄まじい。1人娘を担任していた生徒に殺された先生を演じています。増幅する恨みと憎しみと、わずかに残る教師としての感情。特にラストの表情には鳥肌が立ちました。

「告白」は、登場人物への感情移入を許しません。むしろ、こちらの感情がのぞかれているように感じます。「お前はどうなんだ」と。負の感情を引き出されるような感覚に襲われます。

これまでの中島哲也監督の作品は、ジェットコースターのような展開と明るいラストが用意されていました。「告白」のラストは宙吊りのまま終わります。私たちは自力で降りて来なければなりません。

「告白」は、美しい映像とシャープな編集で構成されています。だから、とことん重たいストーリー展開を見続けることができます。雲の描写が、人々の心を象徴していました。ラストのさまざまな雲の表情が、印象でした。

「告白」は、自分の分からない世界に真摯に近づこうとしていました。この壊れかけた現代日本に正面から向き合っています。だから信用できる監督です。



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