「宝石の国」と出会い、私の中で眠っていた「鉱物愛」が目を覚ましました

  • 2017.12.20 Wednesday
  • 20:25


 

 

2013年7月、いつものようにYoutubeで投稿動画のチェックを行っていると、魅力的なPVアニメを見つけました。それが「宝石の国」との出会いでした。

 

 

 

単行本第1巻の発売を記念して、作者・市川春子氏が全面協力したフルアニメ作品。監督・コンテ・演出は大橋明代、キャラクターデザイン・作画監督・原画は加納綾が担当しました。

 

プロデュースは、講談社アフタヌーン編集部で、アニメ制作はスタジオ雲雀。市川氏が「漫画本編よりも面白そう」というほど、素晴らしい出来栄えでした。

 

コミック「宝石の国」には、人型の様々な宝石が登場しますが、宝石の擬人化ではありません。人間が死に絶えた遠い未来が舞台です。地上の生き物は、「微小生物」によって無機物になり、長い年月をかけて、宝石の体を持つ生き物が誕生します。

 

28人の宝石たちは、頻繁に来襲する月人(つきじん)との長い戦いを続けています。何人かは、すでに月に連れ去られていました。宝石を装飾品にしようとしていると言われています。

 

コミックの第1巻刊行にあわせて、本格的なアニメを制作・公開するというプロモーションは、なかなか斬新でした。繊細なアニメの質感によって、コミックの魅力がさらに増しました。

 

市川氏が、私と同じ札幌市在住であることも、親近感がわきました。作品には、冬の場面などで札幌・北海道での経験が生かされています。

 

20代のころ、世界が結晶化していくJ.G.バラードの「結晶世界」を夢中になって読みました。宇宙全体が、ゆっくりと水晶状の透明な結晶になっていきます。生と死の境界も結晶によってあいまいになっていきます。「宝石の国」の宝石たちが、再生可能で死なない設定につながっています。

 

ガストン・バシュラールが「大地と意志の夢想」などで展開した、石や鉱物を手掛かりにした詩的想像力の翼の広がりにも酔いました。

 

もちろん、澁澤龍彦の鉱物愛の評論にも触発され、さまざまな文献を読み漁りました。市川春子氏も、澁澤龍彦ファンのようです。

 

「宝石の国」に登場する主人公のフォスフォフィライトやアンタークチサイトという宝石は知りませんでした。

 

フォスフォフィライトは、透明感のあるミントグリーンで、吸い込まれるような美しさです。とてももろく衝撃に弱い。このもろさが、物語を引っ張るカギになっています。

 

1950年代末にはフォスフォフィライトが産出した鉱床は採掘が終わってしまいました。あまりにも希少なので、鉱物辞典に載っていない場合もあるほどです。まぼろしの石と呼ばれています。

 

アンタークチサイトは、1963年に日本の探検家が南極大陸で発見し、南極石とも呼ばれています。約25℃で液体化する鉱物です。室温で溶ける鉱物は、氷と自然水銀しかなく、非常に珍しいです。

 

「宝石の国」と出会うことで、私の中で眠っていた「鉱物愛」が目を覚ましました。


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