映画「歓びのトスカーナ」

  • 2017.08.26 Saturday
  • 20:05



パオロ・ビルツィ監督の「歓びのトスカーナ」。イタリア・フランス合作です。イタリアのアカデミー賞と言われるドナテッロ賞で17部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門を受賞しています。

 

おしゃべりで陽気ですが、妄想癖で周囲を振り回すベアトリーチェ。自分を責め、絶望して自傷行為を繰り返すドナテッラ。二人は、心を病んだ人たちが集まる診療施設で出会います。

 

自分の殻に閉じこもるドナテッラの秘密に気づいたベアトリーチェは、ドナテッラを連れて施設を抜け出します。騒動を起こしながら、二人は次第に友情で結ばれていきます。

 

せわしなく話し続けるベアトリーチェ役のブルーニ・テデスキが、とにかくうまいです。

 

いわゆる人間賛歌のストーリーですが、人間を多面的に描くビルツィ監督の作品ですから、奇麗ごとでは終わりません。ただ、はた迷惑とも映る二人の行動を、トスカーナの自然が優しく包み込んでいるように感じました。トスカーナという土地の持つ強い力を感じました。


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映画「海辺の生と死」

  • 2017.08.26 Saturday
  • 19:06


 

 


越川道夫監督の「海辺の生と死」。作家・島尾敏雄の「島の果て」と、作家でもある妻・島尾ミホの「海辺の生と死」を基にしたラブストーリーです。奄美群島・加計呂麻(カケロマ)島をモデルに、満島ひかりが演じる国民学校教員のトエと、永山絢斗が演じる海軍特攻隊の隊長・朔(さく)中尉の出会いと恋愛を描いています。

 

 

 

直接的な戦争シーンはありません。7月に紹介した メル・ギブソン監督の「ハクソー・リッジ」とは、全く別な観点で沖縄戦が舞台になっています。

 

二人を取り巻く奄美の自然が、むしろ主人公なのかもしれません。映画には、自然の様々な音が満ちています。そして、アニメ「この世界の片隅に」と同じように、戦時下の食事の場面が印象的です。

 

トエ役の満島ひかり。とてもうまい俳優ですが、今回は特別な演技だと思います。奄美の自然とともに演じています。島唄を口ずさむシーンが胸に沁みます。

 

この島唄の歌唱指導をしたのは、朝崎郁恵さんです。奄美島唄伝承の第一人者、1935年生まれです。「奄美の美空ひばり」と呼ばれています。


朝崎さんは「奄美ならではの感覚を、満島さんは本当によく体現してくれていました。お稽古で唄を覚えるのも、とても早かったですね。島唄と心も体も合っている気がしました」と話しています。

 

江戸時代、薩摩の支配を受けていた時に、奄美の古い記録や文書は処分され失われてしまいましたが、島唄はうたい継がれてきました。奄美の島唄には、島の人たちの歴史がしみ込んでいます。

 

越川監督は、とても謙虚な姿勢で映画を撮影していると思いました。兵隊たちが、奄美の座敷にあがって大声で “同期の桜”をうたうシーンがあります。島を荒らす暴力性をうまく表現していました。監督の姿勢が、よく表れていました。

 

声高ではありませんが、理不尽な戦争に、静かに対峙している作品です。


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映画「セールスマン」

  • 2017.08.21 Monday
  • 21:54



イランのファルハディ監督の「セールスマン」。2016年・第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で男優賞と脚本賞を受賞、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞しました。

 

ファルハディ監督は、1月にトランプ米大統領が出したイスラム国家7カ国への入国制限措置に抗議し、アカデミー賞授賞式をボイコットしていました。授賞式では監督の代理人が「米国に入国できなかった7カ国の人々を代表して感謝する」と監督のコメントを読み上げました。

 

小さな劇団に所属し、アーサー・ミラーの有名な戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演している役者の夫婦を中心に物語は進みます。引っ越したばかりの自宅で夫が不在中に妻が何者かに襲われます。妻は警察へ通報をいやがり、夫は独自に犯人を探し始めます。夫婦の感情のズレを繊細に描いていきます。

 

ラストの独特の後味の悪さは、格別です。ただ、ファルハディ監督の「別離」ほどの、圧倒的な感動は得られませんでした。

 

2011年公開の「別離」には、衝撃を受けました。物語の巧みさと映像センスの良さが光りました。第61回ベルリン国際映画祭の金熊賞と、女優賞、男優賞の2つの銀熊賞を受賞。史上初の快挙でした。第84回アカデミー賞ではイラン代表作品として外国語映画賞を受賞しています。

 

テヘランで暮らしている中産階級の家族と周囲の人たちが描かれます。母親のシミンは夫と娘とともに出国を希望。父親ナデルはアルツハイマー型認知症を患う父を心配して国に留まります。11歳の娘テルメーは、両親の思いに引き裂かれて悩みます。

 

ナデルは父の世話のために妊娠中のラジエーを家政婦として雇い思わぬ事態に発展します。介護の難しさと、さまざまな価値観の違いが浮き彫りになっていきます。イランでは老人介護の施設が非常に少なく、介護は家族の役割で、施設に入れられる老人は不幸という社会通念が強いと言われています。イスラムの教えで男女隔離が厳格な点も介護をさらに難しくしています。

 

イランの格差、価値観の多様さ、誠実さの問題など、普遍的なテーマをあぶり出していきます。激変するイランだからこそ生まれた緊張感あふれる傑作でした。


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映画「ハクソー・リッジ」

  • 2017.08.21 Monday
  • 21:53



 

「ハクソー・リッジ」。メル・ギブソンが「アポカリプト」以来10年ぶりにメガホンをとりました。第2次世界大戦の沖縄戦で75人の命を救った米軍衛生兵デズモンド・ドスの実話をもとにした戦争映画です。「ハクソー・リッジ」とは、激戦地となった沖縄の断崖絶壁の名前です。第89回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞など6部門でノミネートされ、編集賞と録音賞の2部門を受賞しました。

 

人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊に志願しながらその意志を貫こうとし、軍法会議にかけられます。それでも、妻や父に助けられ、武器を持たずに衛生兵として戦場に行くことを許可されます。

 

ハクソー・リッジでは、日本兵の捨て身の抵抗に撤退を余儀なくされます。負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、ひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施します。彼が救った兵士75人の中に2人の日本人兵士がいました。

 

血なまぐさい戦闘場面が続きます。第2次世界大戦の沖縄戦を描いた映画はたくさんありますが、「ハクソー・リッジ」は、これまでとは全く違う沖縄戦を描いています。この作品は、デズモンドを美化しているというよりは、戦争のむごたらしさを前にした人間のぎりぎりの生き方を示しています。


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映画「怪物はささやく」

  • 2017.08.21 Monday
  • 21:52



J・A・バヨナ監督の「怪物はささやく」。イギリスの児童文学を映画化したものです。児童文学といっても、屈折した人間を描いていて、かなり大人向けの作品です。スペインのアカデミー賞であるゴヤ賞を9部門で受賞しました。

 

13歳の少年コナーは、教会の墓地が見える家で難病の母リジーと暮らしています。病気は重くなるばかりです。コナーは、学校ではイジメにあっています。辛いことばかりの日々が続きます。ある晩、彼の前に怪物が現われ、これから3つの「真実の物語」を語るので、4つ目の物語をコナー自身が語るよう告げます。教会の墓地にそびえ立つイチイの巨木が怪物に変身して歩いてきたのです。

 

怪物が語る3つの物語は、繊細な水彩アニメーションで描かれます。オープニングのアニメとつながる絵柄で、とても魅力的でした。この作品の魅力の半分は、このアニメの魅力です。

 

「パンズ・ラビリンス」の製作スタッフが参加しています。ファンタジーは、過酷な現実に対して生まれるという点では、両作品は似ています。子供も巻き込むスペイン内戦の目を背けたくなる残酷さを描いた「パンズ・ラビリンス」の方が、より切実でした。毒を含みながら魅力的で美しい映像が広がります。ラストの甘美さは、悲劇がそのまま祝福になる映像のマジックでした。


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「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」

  • 2017.08.21 Monday
  • 21:50

「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」。監督は、ヨアヒム・ローニングとエスペン・サンドベリです。

 

「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、2003年の「呪われた海賊たち」から始まったシリーズ。これまでに4作品が公開され、今回の「最後の海賊」が5作目です。ディズニーランドのアトラクションである「カリブの海賊」から着想を得ています。ジョニー・デップのほか、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイが出演しています。

 

第1作「呪われた海賊たち」は、一匹狼の海賊ジャック・スパロウ役のジョニー・デップの軽妙な演技で楽しませてくれました。アニメ的な要素を取り入れた主人公による新しいタイプの海賊映画でした。ただ全体にディズニー的なお手軽さとファミリー向けの配慮も感じられました。ディズニー映画の限界かと思いました。それでも、「海賊映画は当たらない」という定説を覆すヒット作となりました。

 

スティーブ・ジョブズは1981年にMacintoshプロジェクトを始めましたが、「海軍に入るより、海賊であれ」と語り、Macのアイコン入りのドクロをかたどったシリコンバレーの海賊の旗を掲げていたというのは、有名な話しです。「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観た時に、そのことを思い出しました。海賊は、自由の象徴だったのですね。

 

2006年の「デッドマンズ・チェスト」は、ファミリー向けという感じがしませんでした。161分、手を抜かない気迫が感じられます。次々と見せ場を用意し、畳み掛けてきます。カメラアングルが絶妙で、わくわくしました。

 

そして、5作目「最後の海賊」。完結編を思わせる邦題です。海賊ジャック・スパロウと、ジャックへの復讐に燃えるサラザールの対決を中心に、ウィル・ターナーの息子ヘンリー、女性天文学者カリーナ、ジャックの宿敵バルボッサたちが、からんできます。ポール・マッカートニーが、ジャックのおじさん役で登場します。

 

飽きさせないテンポの良い展開でしたが、ボトルシップになっていたブラックパール号が復活する場面から、さらに面白くなっていきます。映像的にも見応えがあります。場違い感があったカリーナが、とても重要な働きをし、さらには涙なくしては見られないクライマックスシーンを用意します。

 

海賊を根絶やしにしようと執念に燃えるサラザール役のハビエル・バルデム。伝説の海賊でありスパロウをだましてのし上がった宿敵ヘクター・バルボッサ役のジェフリー・ラッシュ。ともに、存在感のある名俳優です。ふたりの演技に対してジョニー・デップのコミカルな演技が対照的で、今回もそのバランスが魅力的でした。

 

エンドロールの最後の最後におまけの映像があります。ウィル・ターナーと奥さんのエリザベスが眠っている寝室です。突然デイヴィ・ジョーンズが現れます。ターナーは悪夢だと思いますが、ベッドの下にはフジツボが残されています。これは、続編への伏線でしょうか。今回は、とても奇麗に終わっていたので、その余韻のままの方が良かったです。エンドロールの途中で帰った人は、正解だったかもしれません。

 

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モダンダンスの創設者ロイ・フラーの半生を描いた衝撃の映画「ザ・ダンサー」

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 20:48



映画「ザ・ダンサー」の監督は、写真家のステファニー・ディ・ジュースト。モダンダンスの創設者ロイ・フラーの半生を映画化しました。ロイ・フラーは、19世紀、まだ女性によるダンスが卑しいものとされた時代に、ドレスや照明、鏡を用いた新たなダンスアートを創作しました。

 

ロイ役は、ミュージシャンで女優のソーコ、ライバルのイサドラ・ダンカン役をリリー=ローズ・デップが演じています。デップは、ジョニー・デップとバネッサ・パラディの娘です。さすがに華があります。

 

19世紀アールヌーボーの時代にロイ・フラーは、シルクの布をまとい、長い棒をつかって華麗に舞いました。普及し始めた照明を効果的に使った演出でダンスの新時代を切り開きました。舞台装置、複数による群舞まで設計しています。一方、イサドラ・ダンカンは、薄い衣装だけを身にまとい、身体の動きの美しさで魅了しました。

 

照明を巧みに使ったロイ・フラーの美しい踊りの映像に、息を飲みました。19世紀のダンスというより、現代のパフォーマンスそのものです。照明技術を駆使した舞台は、パフュームのコンサートを連想させます。

 

しかし棒をつかった踊りは、大変な体力を必要としました。がっしりとした体格のフラーも、身体がガタガタになります。軽やかな踊りのイサドラ・ダンカンとは、対照的です。

 

ロイ・フラーは、65歳まで生き、いろいろな支援をしています。ダンカンなどを手助けしたほか、1900年のパリ万国博覧会でパフォーマンスを披露した時は、日本のダンサーを出演させています。映画の中でも日本びいきが描かれていました。

 

フラーは、カラーフィルタを作る化学合成物や照明と衣装を発光させる化学塩の使用など舞台照明関連の特許を多数取得します。フラーはエジソンと友達でしたが、エジソンがフラーの踊りを映像に残したいという依頼を拒否したそうです。残念でした。一方、X線で骨まで透かせてみせるダンスを企画し、キュリー夫人に相談に行っています。ロートレック、ロダン、マラルメなど多くの芸術家や科学者とも交流しています。

 

イサドラ・ダンカンに比べ、ロイ・フラーの名は、あまり知られていません。しかし、アートとテクノロジーが密接にかかわる現代において、ロイ・フラーの先駆性、先見性は、高く評価されるべきです。その意味では、非常にタイムリーな映画化です。

 


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河瀬直美監督の「光」、映画そのものの可能性、人間存在の不思議さを表現

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 20:46



河瀬直美監督の新作「光」。視力を失いかけているカメラマンと映画の音声ガイド制作者が、対立しつつ心を通わせていく物語。第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に選ばれました。

 

今年2017年から大手配給会社の東宝・松竹・東映・KADOKAWAが、すべての邦画に音声ガイドをつける試みを始めました。字幕表示や音声ガイドの再生が行えるアプリが開発されています。

 

河瀬直美監督は、前作「あん」で初めて音声ガイドに出会い、制作者たちの映画への深い愛に感動します。それが「光」を作るきっかけになっています。作品に登場する音声ガイドのモニター会には、一般の視覚障碍者の人も参加しています。

 

カメラマン役の永瀬正敏は、うまい役者ですが、今回は別格の演技をみせます。いや、演技ではなく役を生きています。音声ガイド制作者役の水崎綾女は、違和感を抱えたぎこちなさが、役にぴったりでした。

 

繊細な光の世界と多彩な音の表現。音声ガイド制作を描きながら、映画そのものの可能性、人間存在の不思議さを表現しています。監督自身の「世界で一番すばらしい映画です。どうか観てください」という言葉に嘘はありません。

 


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映画「カフェ・ソサエティ」

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 20:44



 

「カフェ・ソサエティ」は、ウッディ・アレン監督が、さまざまな人が出入りする、虚飾に満ちた1930年代ハリウッド黄金時代を舞台に、野心家の青年の恋愛を描いたコメディタッチの作品です。

 

映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビー。彼は、映画業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやって来ます。映画スターたちを相手に、フィルの下で働くうちに、フィルの秘書ヴォニーの魅力に心を奪われていきます。ボビー役のジェシー・アイゼンバーグは、ウッディ・アレンに似ていて、分身のようでした。

 

苦いラブストーリーですが、アレン監督の作品としては毒は少ないです。しかし映像の艶は、十分に楽しめます。魔法のような色彩が全編を包みます。撮影監督は、「地獄の黙示録」「ラスト・エンペラー」などの巨匠ヴィットリオ・ストラーロ。初めてアレン監督と組み、アレンは本作で初めてデジタル撮影を採用しています。

 

「カフェ・ソサエティ」は、47作目の長編映画。81歳のウッディ・アレン監督は、毎年作品を発表し続けています。

 


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吉田大八監督作品「美しい星」、もはや三島由紀夫の「美しい星」ではない

  • 2017.06.28 Wednesday
  • 20:42



「美しい星」は、三島由紀夫の1962年の長編小説の映画化です。吉田大八監督作品です。

 

三島文学の中では異色のSF作品。核戦争による人類滅亡への恐怖・終末観を背景に、宇宙的観点から人間を見つめています。人類滅亡を願う宇宙人と滅亡の危機を救おうとする宇宙人の激しい論戦が特徴です。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官」を意識しています。当時は、SFという分野がまだ評価されていない時期で、三島由紀夫はあえてSF的な手法で、哲学的な作品を書きました。

 

小説の発表から55年の時間が流れています。映画化にあたって、大幅な内容の改変が行われました。私は、もはや三島由紀夫の「美しい星」ではないと思います。核戦争による人類滅亡を、自然破壊による人類滅亡に変えたことは、一見今風に思えますが、全く掘り下げが足りません。忘れてもらっては困りますが、核戦争による人類滅亡の可能性は、今もリアリティを失っていません。

 

最も困惑したのは、火星人のポーズです。なんの必然性があるのでしょう。全く分かりません。全編、意味不明な場面が氾濫しています。最近の分かりやすい映画に対する皮肉とも思えませんでした。


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