ワンドットゼロ2004in札幌(6)j-star 04

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:13


 

 

j-star 04

 

 

 日本で活動するクリエイターによる人気のプログラム。会場も一番混んでいた。daiki aizawa「loop pool」は、2004年1月、NHK「デジタル・スタジアム」にてベストセレクションに選ばれた作品。命の循環を描き、見事なアイデアのラストが印象に残る。isao nishigori [p.i.c.s.] 「slue, course, to the nucleus」は、ACIDMANのサウンドにのせて多層レイヤーを生かし壮大な叙事詩、自然賛歌へと展開していく。
 森田修平(syuhei morita)の「kakurenbo」は、「かくれんぼ」を題材としたフル3Dアニメーション映画。少人数のチーム「YAMATOWORKS」で作り上げた驚くべき完成度の作品。新しくて懐かしい。新しい才能の誕生に立ち会った。




ワンドットゼロ2004in札幌(5)sneakers,presentation4・中谷日出

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:12


 

 

sneakers

 

 

 何故アメリカのスラムで生まれたスニーカーが世界中に広まり、高級化していったのか。その流れを追うドキュメンタリー。しかしその映像表現は、とてもユニークだ。ドキュメンタリーでも、このような思い切ったデジタル処理でめりはりをつけることができるのかと感心した。
presentation4・中谷日出
 NHK解説委員、BS「デジタル・スタジアム」キャスターの中谷日出さんがプレゼンテーション。軽妙な語りで、「デジタル・スタジアム」の作品を次々と見せてくれた。そしてなんと、秘蔵の自作も上映。心温まる作品に触れることができた。こういう人がNHKで頑張っているのだと、あらためて敬意を表したくなった。

 




 

ワンドットゼロ2004in札幌(4)wow+flutter 04,presentation3・束芋

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:08



 

wow+flutter 04
 実験性にあふれた作品がそろうプログラム。もっともワンドットゼロらしい斬新さがある。何よりもプリカーサーの「quietus」のスタイリッシュな映像にみとれた。チューブと内臓と血。生と死、優雅とグロテスク、メカニックとオーガニックが共存する。シャープで耽美的なスプラッター好きの私には、たまらない作品。
presentation3・束芋(たばいも)
 ことしのプログラムの、思わぬ拾い物。28歳の現代アーティスト。現在、京都造形芸術大学教授。日本の今をブラックなユーモアで描く作家。インスタレーションのスタイルで複数面のアニメーションを見せる。卒業制作の「にっぽんの台所」から、異様にクオリティが高い。「にっぽんの横断歩道」「にっぽんの湯屋(男湯)」「にっぽんの通勤快速」と、その構成は複雑化し無気味な毒は濃くなっている。歪んだ日本の今を多角的に切り取り味付けする構成力は卓越している。
 
 作品やアートの状況について説明する束芋さんは、いたって明晰で分かりやすかった。一見、外国の受けを狙った作風、色使いに見える。しかしながら、実は内側から外を見、外から内側を見ているのだと分かる。危険な道を果敢に歩いている。
 「束芋」さんは、本名が田端アヤコさんで3人姉妹の真ん中。同じ学校に通っていた姉と区別するため 「田端の妹」から「タバイモ」。それに漢字をあてて「束芋」になったらしい。

ワンドットゼロ2004in札幌(3)presentation2、extended play 04

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:07


 

 

presentation2・airside

 

 

 エアサイドは、ロンドンを拠点とするデザイン・エージェンシーで、アニメーション、ウェブ、プリント、ID、おもちゃ、Tシャツなどを含む幅広いメディアで仕事をしている。ゲストのフレッド・ディーキンは、とにかく多才。トークもウイットに富んで面白い。音楽からグラフックス、CG、そしてグッズまで幅広い分野で活動している。あふれるアイデアにおぼれることなく、ディスカッションを大切にしている姿勢が印象的だった。自発的な創作とオーダー作品との関係についても、示唆に富む話が聞けた。
extended play 04
 批評家から絶賛されているショートフィルムとアニメーションのプログラム。ことしは、特に充実していた。marc craste「jojo in the stars」( studio aka / 2003 / france/uk)は、白黒で描写された悪夢的で美しい世界。 そのオリジナルなキャラクターデザインと愛と犠牲のストーリーに涙が出た。daniel askill「we have decided not to die」( 2003 / australia)は、3人の肉体に関する3つの儀式。異様な強度が衝撃的だ。juan solanas「l'homme sans tete 」(onyx films / 2003 / france)は、「頭のない男」という題名でショートショートフィルムフェスティバルでもノミネートされた作品。以上3作品は、いずれも奥深いユニークな世界観がある。virgil widrich「fast film」( six-pack film / 2003 / austria)は、300以上もの映画史上に残る作品を引用する信じられないほどの労作。

 




 

ワンドットゼロ2004in札幌(2)presentation1・logan

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:06


 

 

presentation1・logan

 

 

 ローガンは、アレクセイ・ティレビッチとベン・コンラッドの二人組からなるロサンゼルスのデザインユニット。実写、アニメーション、イラストレーションを組み合わせた作品を制作している。プレゼンテーションでは、ミュージックビデオやCM製作の技術に踏み込んで解説。iPodCMの秘話も聞くことができた。キレの抜群に良い映像にうなった。そして、後日あのフィルムが未公開のものだったことを知った。12日に世界公開されたU2のCMをいち早く見ることができた。
wavelength 04
 ウエブレングスは、斬新性なミュージックビデオ のプログラム。多彩な作品がそろった。中でもジョナス・オデルの「take me out」(franz ferdinand / uk)が傑出している。ダダイスト/構成主義的フォトモンタージュという定義に収まらない斬新さを備えている。映像的な試行のはずのプログラムだが、社会批判の作品が目立った。これは偶然ではない。圧倒的な情報の中で、訴えを際立たせること。この21世紀的な課題は、動画的なデザインに隠されているのかもしれない。かつての、エイゼンシュテインのモンタージュ理論のように。

 




 

ワンドットゼロ2004in札幌(1)sh*te + shynola

  • 2016.03.25 Friday
  • 16:05


 

 

2004年10月に行われたonedotzero(ワンドットゼロ)2004in札幌の記録を、以下に再掲します。

 イギリス発世界最大のムービングイメージ・フェスティバルonedotzero(ワンドットゼロ)2004in札幌が、2004年10月8日から10日まで、2会場で行われた。8日は、アーバンホール(札幌市中央区南3西4、札幌アーバンビル7階)で上映。9日からはエデットに会場を移し、アットホームな雰囲気で上映やプレゼンテーション、質議が行われた。

 

 

sh*te + shynola
 私の大好きなシャイノーラ。ワンドットゼロでは毎年取り上げられてきた。4人のメンバーは結成当初から共に生活し働いている。デジタルの作品だが、手書きアニメの感触が実に上手く生かされている。そして笑いからぞくっとする恐怖まで、ポップな明るさからパンクな破壊まで幅広いテイストを持ち合わせている。独自性のある一つの表現というよりも、シャイノーラ空間という楽しい広がりこそ持ち味だと思う。今回、作品をまとめて見て、どの作品にも多彩な毒が仕込まれていることにあらためて驚いた。
 メルヘン風に始まり恐怖に叩き込む「eye for an eye」のほか、ドットアニメのお祭り騒ぎのような楽しさが詰まった「move your feet」、恋した天使の頭をドングリと間違えて食べてしまうリスの悲しくも残酷な結末を描いた「good song」、雑誌の切り取りとライブ映像を貼り合わせて作られたパンクな「house of jealous lovers」などなど、本当に楽しいプログラムだった。面白さの中に映像的なセンスが光る。

 




 

ワンドットゼロ2003札幌(9) saint etienne / finisterre

  • 2016.03.25 Friday
  • 14:42


 

 

saint etienne / finisterre

 

 

 「saint etienne / finisterre」は、セイント・エティエンヌ製作の「フィニステア―ロンドンの風景」の上映。1990年にボブ・スタンリー、ピート・ウィッグス、セーラ・クラックナルの3人で結成した音楽ユニット「セイント・エティエンヌ」と、映像作家によるコラボレーション。彼らの最新アルバム「フィニステア」のトラックと、新たに作りおろした楽曲を使用している。
監督はキーラン・エヴァンスとポール・ケリー。最初は、ロンドンの観光ビデオ的だったが、やがて独自の視点を加え、多角的にロンドンを見つめ始める。なかなか魅力的な切り口が続く。しかし、「ロンドンは世界の中心」的な終わり方が納得いかなかった。ロンドンが好きなのは、良い。しかし、世界に中心などない。さまざまな拠点があるだけだ。




ワンドットゼロ2003札幌(8) gondry forever

  • 2016.03.25 Friday
  • 14:41


 

 

gondry forever: around the world of michel gondry

 

 

 「gondry forever: around the world of michel gondry」は、フランスの天才監督ミッシェル・ゴンドリーの16作品プログラム。ビョーク、ケミカルブラザーズ、スターダスト、ホワイトストライプス、レディオヘッドなどの独創的なミュージックビデオを制作している。もともとは、oui ouiというバンドのドラマーだった。その「la ville」から、すでに天才的なひらめきに満ちた表現を開花させている。
「la tour de pise」は、歌詞を実際の看板文字の組み合わせでみせるという驚愕的なアイデア。ビョークの「human behaviour」「army of me」「bacherlorette」は、何度観てもイマジネーションの飛躍力の非凡さに感動する。最後のショートフィルム「la lettre」(1998年)は、純真な失恋を可愛らしく描いていた。 会場は人であふれ、すごい人気だった。

 




 

ワンドットゼロ2003札幌(7) girls on film

  • 2016.03.25 Friday
  • 14:40


 

 

girls on film

 

 

 「girls on film」は、フロリア・シギスモンディ、エレイン・コンスタンティン、ソフィー・ミューラー、ドーン・シャドフォースの4人の女性プロモーションビデオ監督作品を紹介するプログラム。なんといってもフロリア・シギスモンディ(floria sigismondi フローリア・シジスモンディ)の作品が傑出している。「four ton mantis」は、2001年のワンドッゼロでも取り上げられたが、「beautiful people/marilyn manson」(1996年)、「aubergine commercial/eatons」(2000年)、「she said/jon spencers blues explosion」(2002年)、「fighter/christina aguilera」(2003年)という作品群は、驚くべき高みにある。

「beautiful people」の痙攣的な映像による退廃的な美しさ、「aubergine commercial」のレトロでエレガントでシニカルなミュージカル、妖艶なヴァンパイアーとしてシギスモンディ自身も出演する「she said」のB級ホラー的な楽しさ、「fighter」の華麗にして強靱、大胆にして繊細な美意識。どれも突出した魅力にあふれていた。彼女に対峙できるのはドーン・シャドフォース(dawn shadforth)とソフィー・ミューラー(sophie muller)の合作「freak like me/sugarbabes」やシャドフォースの「miss lucifer/primal scream」くらいだ。

 




 

ワンドットゼロ2003札幌(6)フォーラム「世界とつながるデジタルコンテンツ」

  • 2016.03.25 Friday
  • 14:38


 

 

フォーラム「世界とつながるデジタルコンテンツ」

 

 

  初日10日には、アンドリュー・トーマス、真島理一郎、寺井弘典、エアロステッチの二人をゲストに迎え、久保俊哉氏が司会を務めたICCクリエイティブフォーラム「世界とつながるデジタルコンテンツ」が行われた。東京と札幌のクリエーターたちが、どのように作品を生み出し、世界とつながっていったのかを紹介。
 プロデュースの視点を加えながら、日本のデジタル作品の魅力と可能性を探った。アンドリュー・トーマス氏は、日本の作品が注目されていることを強調。プロデューサーの寺井弘典氏は、日本特有の感性が海外で新鮮に感じられていると話していたが、28カ国で上映されている「スキージャンプ・ペア」について、真島理一郎氏は「みんな同じところで笑っているので、世界共通だと思う」と語った。差異と共通の微妙な関係が興味深かった。

 




 

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