映画「バイオハザード3」は、B級映画のウィルスに感染

  • 2015.12.25 Friday
  • 18:31




「バイオハザード」シリーズ3作目「バイオハザード3」。今回は、1、2作とはかなり趣が異なります。ラクーンシティのTウィルス感染は、数年で世界中へと広まっています。ゾンビのようなアンデットに埋め尽くされた地上は砂漠と化し、わずかな生存者が限られた資源を求めて移動生活しています。

すべての元凶であるアンブレラ社の陰謀を阻止するために闘うアリスは、離ればなれになっていたカルロスと生存者集団に出会います。ミラ・ジョヴォヴィッチの魅力は認めますが、それだけに頼っている感じがします。

アリスのクローンが登場し「エイリアン4」みたいだなと思っていると、「マッドマックス」的な砂漠のシーン。続いて、ヒッチコックの「鳥」を連想させる展開。さらに、アリスは「AKIRA」になります。どこかで見たようなシーンのパレードが続きます。

広大な砂漠が舞台ですが、映像のスケール感は乏しいです。「バイオハザード」の独自の持ち味は失われ、面白ければ何でもやってしまうB級映画のウィルスに感染しています。B級映画には、B級映画の良さはありますが、これはいただけないです。



映画「題名のない子守唄」、凄まじい演技、凄まじい真実

  • 2015.12.25 Friday
  • 16:57




「題名のない子守唄」は、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の6年ぶりの作品です。

インターネットなどで、さまざまなネタばれ情報が流されていますが、この作品は、全く予備知識なしに見るべき作品です。ウクライナから北イタリア・トリエステにやってきたイレーナという女性の不可解な行動を、いろいろ憶測しながら見つめ続ける緊張感が、この作品の大きな魅力だからです。

ときおり襲う幻覚の痛々しさに、鋭く刺激されながらも、真相はなかなか明らかになりません。大きな謎を抱えながら、次第に映像にのめり込みます。母性愛を、こんなストーリーでみせた映画は、これまでなかったと思います。

ラスト近くで明らかにされる真実の過酷さに、身がすくみました。あまりにも残酷。しかし、ラストに暖かなシーンを置くことで、この作品は悲劇に終わらなかった。いかにもトルナトーレ監督らしい。そして、モリコーネの音楽がすべてを包み込みます。

イレーナを演じたクセニヤ・ラパポルトの熱演は、鳥肌が立つほど。モニカ・ベルッチのマレーナ役もすごかったが、イレーナもすさまじい。



映画「ボーン・アルティメイタム」は、カメラワークがたまらなく魅力的

  • 2015.12.25 Friday
  • 16:51




ジェイソン・ボーンシリーズの第3作「ボーン・アルティメイタム」。ポール・グリーングラス監督が、緻密で切れのある演出をみせます。

CIAの極秘プロジェクト「トレッドストーン計画」によって、記憶を奪われ暗殺者にされたジェイソン・ボーン。CIAにねらわれ愛するマリーを殺されたボーンは、復讐と自分探しの旅を続けています。今回は、その謎に満ちた過去が明らかにされます。

トレッドストーン計画などに関する取材し記事を書いた新聞記者ロスにロンドンで接触しようとしたボーンは、CIAの現地要員に監視されていたロスを助けようとしますが、ロスは狙撃され殺されてしまいます。人の多い雑踏の中での行き詰まる駆け引き。きびきびと変わる映像が、緊張を高めます。

派手で大掛かりな戦闘シーンがある訳ではありません。美女とのラブシーンがある訳ではありません。ロンドン、タンジール、ニューヨークと場所を変えながら、ただ、ただ、逃亡と追跡、そしてアクションが繰り返されます。そのテンポが、じつに絶妙。そして、カメラワークの臨場感がたまらなく魅力的です。



映画「自虐の詩」、監督の狙い通りに笑って泣いた

  • 2015.12.25 Friday
  • 16:39




「自虐の詩」は、業田良家による4コマ漫画作品の映画化です。あの漫画のラストには、驚かされました。はたして映画であの雰囲気が出せるのだろうかと思っていましたが、堤幸彦監督が強引に自分の世界に連れ込んでいきました。

パンチパーマの阿部寛が、ちゃぶ台をひっくり返すと、ご飯や味噌汁がスローモーションで宙を舞います。まさに堤ワールド。前半は、どたばた喜劇が展開されます。そして、後半。ストーリーは急に叙情的になります。監督の狙い通りに何度も泣かされました。

終わってみれば、幸江役の中谷美紀、イサオ役の阿部寛は、ともに好演していました。小春おばちゃん役のカルーセル麻紀らも、悪くありません。幸江の中学時代を演じた岡珠希は、不幸を引き寄せそうな顔で、適役でした。中学時代の熊本さん役丸岡知恵(まるおか・ちえ)も、個性的で良かったです。

ただし、大人になった熊本さん役が、アジャ・コングというのはなあ。それでも、最後の再会シーンでは大泣きしたのですが。



映画「クワイエットルームにようこそ」は、冷えた多彩なドライフルーツの味

  • 2015.12.25 Friday
  • 16:29




松尾スズキ原作・脚本・監督の「クワイエットルームにようこそ」は、複雑で重たいテーマを低い温度で軽妙に描いています。

28歳のフリーライター佐倉明日香は、ストレスの多い多忙な日々を送っています。ある日目覚めると、見知らぬ白い部屋でベッドに拘束されています。薬とアルコールの過剰摂取で精神科の閉鎖病棟に閉じこめられたのです。失った記憶に戸惑いながら、精神科の女子閉鎖病棟で暮らす人々との付き合いが始まります。

俳優たちは、熱のこもった演技を軽快に見せます。ギャグとシリアスのバランス感覚がとても良い佳作です。佐倉明日香役の内田有紀。彼女の快活さが、この作品の基本トーンとなっています。結末のどんでん返しも、鮮やかに決まます。彼女の恋人鉄雄役の宮藤官九郎が、びっくりするほどうまい。病棟の主・西野役の大竹しのぶは、さすがの貫禄です。拒食症の役にはまり込んでいる蒼井優も、こわいほどです。看護婦役のりょうは、初めてギャグの演技を見せます。そのほかの俳優たちも、見事な演技が光りました。



映画「ミッドナイトイーグル」は、壮大なスケールだが表現は情けない

  • 2015.12.25 Friday
  • 16:00




「ミッドナイトイーグル」は、成島出監督作品です。米空軍のステルス型戦略爆撃機・通称「ミッドナイトイーグル」が、特殊爆弾を積んだまま、極寒の北アルプスで墜落します。国際紛争が絡んだ壮大なスケールの山岳サスペンスという設定ですが、その表現はあまりにも情けない。

冬山自体の描き方は、悪くありません。しかし最大の見せ場となるミッドナイトイーグルの内部が、恥ずかしくなるほど安っぽいです。激しい銃撃戦に緊迫感が感じられません。政府関係者の発言、行動が、不自然すぎるます。自国で解決しようとしながら、最後はあっさりとアメリカに頼る日本政府。アマチュア無線のむちゃくちゃな使い方といい、突っ込みどころ満載の仕上がりです。

キャスティング的には、竹内結子と吉田栄作の演技が印象に残りました。この映画の欠点は、家族愛というオブラートに包んで、結局は日本政府の秘密主義を肯定している点です。ジャーナリズムの基本を平気で踏みにじっている点です。

ナパーム弾を憎んでいた戦場カメラマンの、なんというラストの皮肉な選択。犠牲死という美学に見せかけて、一方的な政治宣伝が行われています。ひどく頼りなく描かれている自衛隊が、全面協力している理由もそこにあるのでしょう。家族愛に涙しながら、どうにも後味が悪かったです。



映画「ALWAYS続・三丁目の夕日」は、ゴジラファン必見

  • 2015.12.25 Friday
  • 15:53




「ALWAYS続・三丁目の夕日」は、映画が始まって5分で料金の元が取れたと感じました。ゴジラファンの私には、たまらないオープニング(この映画の公開初日11月3日は、ゴジラの誕生日)です。そして前作と同じ昭和30年代の世界に、すっと入り込んでしまいました。

今回は、前作の終了時点から4か月後に設定。完成後の東京タワー、東京駅、羽田空港、日本橋、DC―6B、特急こだまが再現されています。当時の映像がよみがえり、まったく違和感がありません。

前作は、やや肩に力が入り、感動を押し付けてくるようなしつこさがあったが、今回はほどよく肩の力が抜け、コミカルなシーンをちりばめながら、夕日町三丁目に住む人々の姿を描いていきます。しかし、ラストに向けて、何度か涙が出ました。心の奥から、じんわりと気持ちよくあふれてくる涙です。

みな好演していますが、特に子役たちがいい。「さくらん」のきよ葉役に続き、鈴木美加役を見事に演じた小池彩夢、そして前作以上に巧みな演技を見せた鈴木一平役の小清水一揮。すばらしいです。



映画「大統領暗殺」は、ブッシュ大統領の暗殺を仮定した疑似ドキュメンタリー

  • 2015.12.25 Friday
  • 15:41




「大統領暗殺」(2006年、イギリス映画)は、ガブリエル・レンジが監督・脚本・製作を務めています。現職のブッシュ大統領の暗殺を仮定した疑似ドキュメンタリーです。

本物の映像シーンを巧みに組み合わせて虚構を作り上げています。2007年10月19日、アメリカ中部時間20時13分、ジョージ・W・ブッシュ大統領が、シカゴでの演説の際に大規模な反戦デモに遭遇し、会場を去る際に何者かに銃弾を受け暗殺されます。そして確たる証拠がないまま、中東系の男性がテロリストとされます。

精密なシミュレーションによって、アメリカの抱える深刻な問題をあぶり出していきます。新しい手法による政治サスペンス・ドラマです。FBI、警察、マスコミなどの危険な実態を検証していく姿勢は、驚くほど手堅い。けっしてキワモノの作品ではありません。

事実と間違えてしまう作品を示すことで、私たちが信じている事実に、揺さぶりをかける高度な手法です。志の高い優れた作品です。2006年9月10日、トロント国際映画祭で上映され、国際批評家賞を受賞しました。

しかし、イギリスでは劇場公開されず、劇中での暗殺日の1年前に当たる2006年10月19日にチャンネル4で放映されたました。全米では2006年の10月27日に公開。500館以上の劇場で公開される予定でしたが、圧力により91館という限定された劇場での公開を余儀なくされました。

2007年3月に公開されたイタリアでも、予定されていた劇場のうち30%が上映を辞退するなど、世界各国で物議をかもしました。

日本でも、社会問題化しました。最初「ブッシュ暗殺」という邦題で発表。しかし、その邦題とポスターが映倫で「審査不可能」とされました。映倫によると「あらゆる国の主権を尊重し、元首、国旗、国家及び民族的習慣の取り扱いには注意する」という条項に抵触すると判断しました。配給会社のプレシディオでは、1982年に公開された「食人大統領アミン」を例にあげ、「ブッシュ暗殺」という邦題での審査通過を交渉しましたが、却下されました。映倫の審査が通らないと劇場での公開はかなり難しく、ほぼ全ての映画館で上映を拒否されるため、やむなく邦題を「大統領暗殺」に変更し、ポスターもブッシュだと認識できないようにしました。



映画「スキヤキ・ウエスタンジャンゴ」は、もう少しで歴史的な快作に

  • 2015.12.25 Friday
  • 15:27




「スキヤキ・ウエスタンジャンゴ」は、源平合戦と西部劇をミックスした全編英語の活劇です。監督は三池崇史。ストーリーはむちゃくちゃですが、マカロニウエスタンと日本の様式美へのオマージュに満ちています。

伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、安藤政信、石橋貴明、木村佳乃、香川照之、桃井かおり、クエンティン・タランティーノというキャスティングがすごい。北島三郎の主題歌というのも驚きです。ただ、桃井かおり以外の人物造形が薄かったのが、残念でした。

木村佳乃の熱演は、印象に残りました。タランティーノもしっかりした役どころ。間違いなく意欲作ですが、荒削りな面が目立ちます。三池監督の持ち味でもありますが、もう少し丁寧に仕上げたら歴史的な快作になったでしょう。



映画「ショートバス」、テーマは深いが衝撃は少ない

  • 2015.12.25 Friday
  • 15:16




「ショートバス」は、ニューヨークを舞台に、人とのつながりや愛を求めてさまよう男女7人の姿を見つめたドラマです。監督は前作「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が大絶賛されたジョン・キャメロン・ミッチェルです。

9・11以降の傷ついたニューヨークの人々に、温かなまなざしを向けます。真正面から表現していますが、映像は柔らかいです。

「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」が、怒りに満ち、とげとげしかったのとは対照的です。人間の孤独とつながりというテーマは深められていますが、映画としての魅力は薄められました。温かな気持ちになりますが、衝撃は少ないです。



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