第5回札幌国際短編映画祭2010(5)
- 2015.12.31 Thursday
- 18:34
★フイルムメーカー部門
7人の監督がノミネートされました。3つのプログラムで紹介しました。
F-Aプログラム。フランスのフランソワ・ボゲル監督の独創性に驚きました。上映作品「天井仕事」は観た覚えがありました。onedotzero2003札幌で上映されていました。今見ても、ハイセンスで新しい。「Stretching」もすごい映像体験です。ロイストン・タン監督、メンゼン監督も多くの表現の引き出しを持っています。
F-Bプログラム。カナダのカジック・ラドワンスキ監督はドキュメントの一場面のよう。レヴァンドフスキ監督は、独自の色調が強烈でした。
F-Cプログラム。ベルギーのトム・ギーンズ監督は全く救いのない展開。不条理ですが、デビッド・リンチとは違う感性です。石川慶監督は、ポーランド国立映画大学で学んだだけに、日本映画とはちょっと違う湿度です。「ディア・ワールド」は、タルコフスキー思い出しました。
フイルムメーカー部門グランプリのカジック・ラドワンスキ監督は、確かに力のある映像でした。ドキュメンタリーのように登場人物と向き合い、観客が自分で考えることを促します。しかし、あの映像では、思考は紋切り型に流されるのではないかと思いました。個人的にはフランソワ・ボゲル監督を推薦します。映像表現の可能性の空間を押し拡げ、確実に豊かにしてくれています。「ストレッチング」は、最優秀コンテンポラリー 、エクスぺリメンタルショート賞を受賞しましたが、他の作品も、とても刺激的でした。