札幌国際短編映画祭2011(4)

  • 2015.12.31 Thursday
  • 16:53




★北海道セレクションは道内作品ですが、ほかのプログラムと比べても、遜色のない力作ぞろいでした。片岡翔監督「ゆきだるまとチョコレート」の柔らかな子供目線と演出力、島田英二監督「零下15度の手紙」の編集力と映像のリリシズムは、さすがです。

★キッズアニメーションは、毎回、質の高いアニメがそろっています。こどもだけでなく、大人も十分に楽しめます。フンコロガシとハエのバトルを描いた「プネェテラとペロテロ」が痛快でした。そのほか、「アレキサンダー」の糸の質感、「へザルフェン」のスピード感が、良かったです。
 
★アジアンタイフーンプログラムは、は韓国特集。ミン・ヨングン監督「a Fever」の映画的な展開のうまさに、舌をまきました。軍隊のブラスバンドをコミカルに描いた「ブラスクインテット」も力作でした。韓国映画、勢いがありますね。

★アイルランドショートは、本当に多彩でした。ケン・ワードロップ監督の温かさに癒され、シリアスな戦争映画「クロッシング・サルウィン」にふるえ、インド映画のパロディ「ムーア・ストリート・マサラ」に笑いました。



札幌国際短編映画祭2011(3)

  • 2015.12.31 Thursday
  • 16:52




監督の複数の作品をまとめて上映するフイルムメーカー部門。ノミネートは4人です。

★FーAプログラム=ハロルド・チャップマン監督に出会えて幸せでした。センスが合いました。スタイリッシュで幅のある映像表現は、魅力的でした。

平林勇監督の「ヘルムート」は再会ですが、やはり面白いです。急遽上映が決まった「663114」は、福島原発事故の影響を蝉の立場で描いた佳作です。題名は「戦後 66 年の 3 月 11 日に起こった4基の原子力発電の事故」を意味しています。

2011年も札幌に来られた岩井俊二監督も、震災と福島原発事故のドキュメンタリー作品「friends after 3.11」を公開しています。

★FーBプログラム=和田淳監督の不条理アニメ。不思議な世界に引き込まれ、思わず笑ってしまいます。「そういう眼鏡」「春のしくみ」が好きです。和田監督の作品は、続けて観ると面白さが増していきますね。

ダスティン・フェネリ監督の作品は、不思議なな味わいとふくらみを持っています。結末の分かってしまう「Snow」よりも「エスキモー・キス」が好きです。フェネリ監督が、フイルムメーカー部門のグランプリを獲得しました。




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札幌国際短編映画祭2011(2)

  • 2015.12.31 Thursday
  • 16:51

国内作品のナショナルプログラムは、インターナショナルと肩を並べる水準でした。力作ぞろいです。

★NーAプログラム=まず、アニメ「レインタウン」の端正な絵が印象に残りました。「ナリタ・フィールド・トリップ」は、三里塚問題を取り上げた作品。 三里塚映画 に出会えるとは思いませんでした。学校のいじめを鋭く描いた「フォーギブ」は、全作品の中で一番心に刺さりました。私的には、この作品がグランプリです。
「美雪の風鈴」は、不発弾が登場するストーリー展開がやや作為過ぎでした。
 
★NーBプログラム=心理実験「スクリプト」は、本当に見事な脚本です。幻想的なアニメ「土踏まずは夏を知らない」は、未完成ながら将来の可能性を感じさせました。



札幌国際短編映画祭2011(1)

  • 2015.12.31 Thursday
  • 16:50




2011年10月5日から10日まで開かれた 札幌国際短編映画祭 SAPPOROショートフェスト2011の報告から。
私は、エントリーされた78作品すべてを観ることができました。

インターナショナル部門
★IーAプログラム=なかなか粒ぞろいでしたが、「アー・ユー・リービング?」のスタイリッシュさが印象的でした。「ジョゼフィーヌという名前の女の子」は、「アメリ」を連想させる可愛いフランス映画です。
 
★IーBプログラム=さまざまな人間模様を描いています。韓国の学生作品「ブロークン・ナイト」は、よくできた脚本で結構怖かったです。みごと、最優秀監督賞と作品部門のグランプリを獲得しました。「エッセンス」はもう少しで傑作になったのに残念でした。実写よりもアニメ「ラ・デタント」のスピード感が心地よかったです。
 
★IーCプログラム=「シュガー」のスピーディでブラックなユーモアに笑って、アニメ「パス・オブ・ヘイト」のめくるめく映像表現に痺れるました。そしてSF「惑星アルファ46」の不思議なリアル感と皮肉なユーモアにニヤリとしました。映画監督の苦悩を描いた「カタルシス」は、映像は面白いのですが、結末がありきたりでした。
 
★IーDプログラム=結構重い作品が多かったです。しかも、結末が予想通りの作品ばかりでした。その中でディビッド・オレイリー監督の過激な実験CGアニメ「エクスターナル・ワールド」の、突き抜けた表現が独創的でした。 
 
★IーEプログラム=重力以上の世界を描いたアニメ「ルビカ」の小気味良い表現が好きです。鳥たちの糞を肥料として利用するために働くペルーの男たちを描いた「グアナペ・サー島の男達」は、見事なドキュメンタリーでした。
 
★IーFプログラム=「重力と僕」は、他の人たちと違う方向に重力が働く男を描いています。こちらの重力以上。細野晴臣(はるおみ)審査委員が、授賞式のスピーチで、何かの予兆かと心配していましたけれど。なかなか粋な展開です。エンドロールが右から流れてきて笑いました。「テロの時代」は、アイデアは面白いですが笑えませんでした。



映画「さすらいの女神たち」は、派手さの裏に寂しさが漂います

  • 2015.12.16 Wednesday
  • 07:43

「さすらいの女神(デイーバ)たち」は、第63回カンヌ国際映画祭・最優秀監督賞を受賞しました。チュー・アマルリック監督・主演です。

ユーモラスでセクシーな舞台を見せるニュー•バーレスクのツアーを描いた作品。落ちぶれたテレビプロデューサーが、再起を目指し巡業する姿を切なく切り取っています。
舞台では生き生きと輝きながらも、深い孤独を抱える女性たちの姿も印象的です。全員現役のダンサーが出演し、ドキュメンタリーのような味わいでした。

クリスティーナ・アギレラが映画初出演した洗練され豪華絢爛な「バーレスク」と違い、派手さの裏に寂しさが漂います。

ラストが秀抜。この一発芸のために本編があったと言えるほどです。



ヒマラヤ登山の常識を打ち破るドイツの山岳映画「ヒマラヤ・運命の山」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 22:44




ドイツの山岳映画です。監督は、ヨゼフ・フィルス・マイアー。実際にナンガ・パルバートでロケをした映像は、すごい迫力です。

1970年6月。ラインホルト・メスナーは弟のギュンターとともに、難しいルートであるナンガ・パルバート・ルパール壁(へき)からの初登頂に成功します。

しかし、下山途中に弟ギュンターが死亡します。さらに初登頂成功は、フェリックス・クーエンのチームとされ、弟のギュンターの死はメスナーの責任にされます。そして隊長のヘルリヒ・コッファーとの間で裁判に発展します。

登山家たちの不信感やライバル意識、自己過信などが絡み合って、物語はサスペンスをはらんでいきます。メスナーの著書「裸の山 ナンガ・パルバート」の映画化なので、メスナーの視点から描かれています。

映画を観て驚いたのは、メスナーとギュンターがすごい軽装備だった点です。あまりにも無謀です。ヒマラヤ登山は、装備や食糧・燃料など膨大な物資を高所キャンプに運ぶ必要があり、大人数のチームワークが不可欠だと思っていました。しかし、ほとんど単独での軽装備登山が可能であるということが分かりました。



映画「カウボーイ&エイリアン」の本格的な西部劇の雰囲気に驚きます

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 20:51

「カウボーイ&エイリアン」は、ジョン・ファヴロー監督作品です。「エイリアンが西部劇の時代に現れたら」というトンデモな発想の作品ですが、本格的な西部劇の雰囲気に驚きます。冒頭の展開に痺れました。

ダニエル・クレイグが演じるガンマン、ハリソン・フォードが演じる悪役が、さすがの存在感を見せますが、ストーリー的なひねりは少ないです。エイリアンの魅力はゼロ。知的なはずなのですが、醜悪で凶暴なだけの異星人は最近の流行りです。

このごろのハリウッド映画の異星人像は、「エイリアン」や「プレディダー」のころよりも後退しています。異質な存在に対する人間の謙虚さが、微塵も感じられません。



実在の球団経営者ビリー・ビーンの生き方を描いた映画「マネーボール」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 19:57




「マネーボール」の監督は、「カポーティ」でアカデミー監督賞にノミネートされたベネット・ミラー。メジャーリーグの選手から球団アスレチックスの経営者になった実在の人物ビリー・ビーンの生き方を描いた作品です。

2002年「マネーボール理論」を導入してチームの変革を行い、公式戦20連勝を記録しました。短気だけれど自らの信念を貫き通すビリー・ビーンを、ブラッド・ピットが演じています。元野球選手たちが選手役で出演し、リアル感があります。

ビリー・ビーンは、データ分析が得意なピーター・ブランドと出会い、これまでの常識にとらわれず低予算で強いチームを作る方法を考え出します。野球界の伝統を重んじるスカウトマンは、猛反発しますが、チームはやがて連勝し、注目されます。そして、レッドソックスのオーナーから史上最高額でのGM就任のオファーを受けます。

個人の「出塁率を最も重視する」方針が、野球というチームプレーで絶対とは言えませんが、低予算で埋もれた戦力を得るという先駆的なデータ野球だと思います。ただ、その理論が注目されると、結局はデータ分析に基づく判断が一般化し、裕福な球団が優秀な選手を獲得することになります。

ビーンはレッドソックスに行きませんでしたが、レッドソックスはビーンの理論を使ってワールドシリーズを制覇し、理論の正しさを証明しました。ハリウッド映画らしくないほろ苦い結末ですが、お金に左右されない生き方を選んだビリー・ビーンに共感します。

ビリー・ビーンは、その後「マネーボール理論」を医療制度やサッカーに導入します。個人的には、そこまで描いてほしかったなと思いました。



映画「ミッション: インポッシブル/ゴースト・プロトコル」は1級の娯楽作

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 18:25




「ミッション: インポッシブル/ゴースト・プロトコル」は、とても面白かったです。ブラッド・バード監督の初実写映画。これまで「アイアン・ジャイアント」「Mr.インクレディブル」「レミーのおいしいレストラン」と、名作アニメを監督してきました。

荒唐無稽で、突っ込みどころ満載ですが、ハラハラし通しの1級の娯楽作です。ちょっとひねった多くのユニークなアイデアに感心しました。なんといっても、絶妙に始まるオープニング・タイトルの出来は最高です。一番目立っていたのは、トム・クルーズではなく、大活躍のiPadとiPhoneでした。

作品は、なかなかスケール感があります。ドバイ、プラハ、モスクワ、ムンバイ、バンクーバーでロケをしていますが、それぞれの雰囲気をうまく生かしています。ストーリーは流れるようにつながっていて、心地よい高揚感がありました。

なによりも、往年の「スパイ大作戦」的なチームプレイによる「だまし」作戦が嬉しかったです。ただ、最後はどういう訳か肉弾戦になってしまいます。続編をにおわせる静かなラストは、賛否が分かれるかもしれません。



原田芳雄の遺作として、あまりにも出来過ぎている映画「大鹿村騒動記」

  • 2015.12.15 Tuesday
  • 16:52




札幌のシアターキノで、追悼上映「原田芳雄アゲイン1」が、2011年11月19日から25日までありました。

原田芳雄自身が発案し、キャスティングをそろえた「大鹿村騒動記」が、原田芳雄の遺作として、あまりにも出来過ぎていることについては、多くを語りませんが、本当によくできた作品でした。

300年以上伝統行事の大鹿歌舞伎をまもりつづけてきた大鹿村を舞台にしています。

農村の若者離れ、外国人就労者、公共事業誘致、認知症、性同一性障害、戦争の傷跡など、深刻な問題も盛り込んでいますが、映画は軽妙な喜劇に仕上がっています。

名優たちの掛け合いに笑い続けました。少しひいた位置にいる父親役の三國連太郎は、素晴らしく枯れた演技をみせてくれました。

面白くて、奥行きがあって、ラストはハッピーエンドにせず、とぼけて突き抜けています。原田芳雄の遺作というだけでなく、作品としても傑出しています。



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