映画「イントゥ・ザ・ワイルド」は、割り切れなさが魅力
- 2015.12.24 Thursday
- 08:10
「イントゥ・ザ・ワイルド」は、ショーン・ペン監督作品です。1992年にアラスカの荒野で死体で発見された若者クリストファー・マッカンドレス。その生と死に迫ったジョン・クラカワーのノンフィクション「荒野へ」の映画化権獲得に、10年近い歳月を費やし、監督自らが脚本も手がけています。執念の映画化といえます。
クリス役のエミール・ハーシュは、18キロの減量に挑み、飢えていく主人公を演じました。大学を優秀な成績で卒業したクリスは、車や財布を捨て、自由を手に入れるための放浪の旅に出ます。労働とヒッチハイクを繰り返し、アラスカへ北上。捨てられたバスの車体を拠点に生活をはじめます。
そして、毒のある植物を食べ、孤独に死んで行きます。向こう見ずで、独りよがりで、若気の至りの典型的なケース。観終わって、クリスの甘さに腹が立ちましたが、その感情には、かつての自分の未熟さへの郷愁も含まれていました。美しい自然、魅力的な人たちとの出会いも印象的。好きな作品だとは言えませんが、時間が経っても不思議と心に残る作品です。割り切れなさが魅力なのでしょう。