2014年、ギャレス・エドワーズ監督「ゴジラ」が公開

  • 2016.08.27 Saturday
  • 20:49



2014年、ギャレス・エドワーズ監督の「ゴジラ」が公開されました。監督は熱烈なゴジラファンで、ゴジラの雄叫びをはじめ、日本映画のゴジラへの 熱いオマージュが伝わってきました。


エドワーズ監督の「ゴジラ」には、さまざまな苦心の跡を感じました。ただ、安易に核兵器を使うなど、やはりハリウッド映画なので、複雑な思いが残りました。

芹沢博士役の渡辺謙は、「ゴジラ」の発音について、監督から英語調の発音を求められますが、頑なに拒否し、「ゴッジラ」ではなく、「ゴジラ」と、日本語のまま発音しています。ちょっと感動しました。






国民的なジャズシンガーの半生を映画化した「ストックホルムでワルツを」

  • 2015.12.03 Thursday
  • 23:26




「ストックホルムでワルツを」は、ペール・フライ監督作品です。スウェーデン映画。スウェーデンの国民的なジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を映画化しました。人口約950万人のスウェーデンで50万人以上を動員したヒット作。同国のアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で11部門にノミネートされ、監督賞、主演女優賞など4部門を受賞しています。

シングルマザーで電話交換手の仕事をしながら歌手を夢見たモニカ・ゼタールンドのサクセスストーリーですが、美化することなく、モニカの身勝手な性格を冷たく突き放して描いています。しかし挫折にめげずに、とても一途に努力する姿は感動的であり、歌手のエッダ・マグナソンが演じているので、歌がとても魅力的で引き込まれます。

1961年に、世界で初めてスウェーデン語でジャズを歌った代表作「歩いて帰ろう」や、ビル・エバンスの「ワルツ・フォー・デビー」などの名曲が作品を彩ります。そして、北欧デザインの美術も、さりげなく作品を飾ります。複雑な人間関係を、重くならずに、さらりとまとめあげる監督の手腕もなかなかです。

納得のいく改変が行われた劇場版「寄生獣」前編

  • 2015.12.03 Thursday
  • 22:40




劇場版「寄生獣」は、山崎貴監督がコミック「寄生獣」を実写映画化した2部作の前編です。アニメ版「寄生獣」よりも、映像にキレがあります。原作はインターネットが普及する前の作品ですが、舞台をインターネットのある現代に置き換えたほか、いくつか大きな改変をしています。

謎の寄生生物「パラサイト」が空からではなく、海から来たという変更は、この作品のテーマから考えてより自然な設定だと思いました。泉新一が母子家庭で母親に育てられたという基本設定の変更によって、名場面がより感動的になりました。良いアイデアです。

スプラッター的な場面は、実写版だけに、よりリアルでグロテスクです。むしろ、食というテーマを際立たせるために、意図的にグロく描いている感じもします。ミギーの声を阿部定夫が担当することで、会話がコメディタッチになりました。普段は子供のおもちゃみたいにぷにゅとした質感のミギーが、戦闘シーンで突然鋭い刃物に変化する場面はメリハリがあります。

「2001年宇宙の旅」へのオマージュが込められた映画「インターステラー」

  • 2015.12.03 Thursday
  • 20:20




「インターステラー」はクリストファー・ノーラン監督の映画作品。「インターステラー」は、恒星間航行という意味です。人類滅亡が迫る中、それを回避するに宇宙に向かう人たちと家族の姿が描かれます。絶賛する意見が多いようですが、私は感動しませんでした。映画的な高揚感を覚えませんでした。

 ノーラン監督は「幼い頃、ロンドンのレスター・スクエアにある映画館の大きいスクリーンで、父と一緒に『2001年宇宙の旅』を見た。とても印象に残っている経験だ。本作では、同じようなスケールの作品をお届したいという野望があった」と話しています。ストーリーのスケールは同じかもしれませんが、映画としてのスケール感は遙かに見劣りします。マン博士と宇宙船とのやりとりやクーパーがブラックホールに落ちていく場面などに、「2001年宇宙の旅」へのオマージュを込めていましたが。

 ノーラン監督は、出来るだけCGを使わない主義で知られています。今回もSFであるにもかかわらず本当に模型を作り70ミリフィルムで撮影しています。ブラックホールに入る場面は、現時点での科学的なリアルさを持っているのかもしれませんが、映像的な驚きは少ないです。それは、訪れた惑星の風景も同じです。1950年代、60年代のSF映画と変わりありません。あまりにも安っぽい人工冬眠装置には、唖然とします。





環境の激変による食糧不足や健康障害が描かれますが、旧態依然とした農村の暮らしを続けていることに違和感を覚えました。砂嵐が強調されているのは、アメリカで1930年代に凄まじい砂嵐が相次いで怒り、終末感が漂ったという歴史的な背景があります。

 「土星の近くにワームホールが発見された。我々はそこに行く」。突然太陽系の中にワームホールが誕生します。そこには知的生命体の関与が感じられ、実際少しだけ5次元生命体との遭遇が描かれますが、その後の進展は全くありません。この種のSFの定番である浦島効果による悲劇も、ひねりがありませんでした。

ノーラン監督が1968年制作の歴史的な傑作「2001年宇宙の旅」を引き合いに出していたので、点が辛くなっているかもしれません。しかし、これまでのノーラン作品のような映画的な躍動感が乏しかったことは、否定できないと思います。ただ、作品の根底に流れる宇宙へと向かう志向性とすべての現象はつながっているかもしれないという世界観には共感します。

映画「ゴーンガール」は、ミステリー仕立てのブラック・コメディ

  • 2015.12.03 Thursday
  • 19:18




「ゴーンガール」は、デビッド・フィンチャー監督作品です。5回目の結婚記念日に、ニックの妻エイミーが姿を消します。ニックは警察の捜査やメディア報道に追いつめられ、妻殺害の疑いを掛けられます。理想の夫婦の見られていた夫婦の秘密が明らかになっていきます。ニックをベン・アフレックが、エイミーをロザムンド・パイクが演じています。

聡明に見えて幼児性と凶暴性が見え隠れするエイミーをロザムンド・パイクが怪演級に熱演しています。しかし、本当に異様なのはエイミーの母親です。エイミーが壊れているのは母親の影響です。

フィンチャー監督によるミステリー仕立てのブラック・コメディです。理想的な夫婦、理想的な結婚を笑い飛ばしています。それにしても、エイミーの矛盾だらけの嘘を、マスコミだけでなく警察も信じてしまう後半の展開は、あまりにも不自然です。もしこれがアメリカの現実なら、それこそブラック・コメディです。

映画「6才のボクが、大人になるまで。」は、同じ俳優で12年間撮影した歴史的な傑作

  • 2015.12.03 Thursday
  • 18:05




映画「6才のボクが、大人になるまで。」は、リチャード・リンクレイター監督・脚本による群像劇。6歳の少年メイソンの成長とその家族の変化を、同じ俳優が主人公や家族を演じ、2002年の夏から2013年の10月まで、12年にわたって撮り続けて完成しました。主人公メイソンはエラー・コルトレーン、メイソンの母はパトリシア・アークエット、メイソンの父はイーサン・ホーク、姉サマンサは監督の娘ローレライ・リンクレーターが演じています。

毎年、夏に行われた撮影では、1年間に起きた出来事をみんなで話し合い、物語に反映させていきました。12年間。奇跡のような出来事です。「ビフォア・シリーズ」でイーサン・ホークとジュリー・デルピーの恋仲を18年かけて3作の映画で表現したリンクレイター監督にしかなし得ない偉業です。第64回ベルリン国際映画祭で、監督賞にあたる銀熊賞を受賞しています。

カリフォルニア州の法律では、7年以上にわたる仕事の契約を結ぶのは違法となるので、契約書にサインすることができませんでした。リンクレイター監督は、イーサン・ホークに撮影期間中に自分が死んだなら、自分の代わりに作品を仕上げるように頼んだそうです。



テキサス州に住む6歳の少年メイソンは、姉サマンサと一緒に、大学で学ぶという母とともにヒューストンに転居し、新しい生活を始めます。アラスカから戻って来た父と再会し、母の再婚、義父の暴力、そして初恋を経験していきます。メイソンはアート写真家としての道を歩き始めます。

まるで最初から意図したかのように、アメリカの歴史的変化が、しっかり盛り込まれています。そして、おむすび型のiMacから始まってiPhoneまで、まるでアップルのCMのように次々に登場し、時代の変化をさりげなく示します。様々な道具が、くっきりと時代を表しています。

165分という上映時間ですが、大きな事件があるわけでもないのに、巧みな会話とテンポの良い展開で飽きません。一人一人の内面を繊細に描いています。かけがえのない、要約することのできない時間が流れています。この映画そのものが、かけがえのない歴史的な傑作です。

札幌国際短編映画祭2014・ナショナルプログラム部門

  • 2015.12.03 Thursday
  • 07:44




札幌国際短編映画祭2014のナショナルプログラムです。

N-Aプログラム
「子供の特権」(関根唯 Yui Sekine監督、2014年、15:00)には、忘れていた感受性を指摘され、本当に驚きました。「アメリカン・ピアノ」(Paul Leeming監督、2014年、22:10 )は、実話を元にした物語。戦時中の米国捕虜とピアノを弾く少女の交流。感動的な場面で泣きました。美しい作品です。
「彼女の告白ランキング」(上田 慎一郎 Shinichirou Ueda監督、2014年、21:04)には、ぶっ飛びました。今年最高の出会いかもしれません。これでもかこれでもかと、驚愕の展開で、笑いすぎてお腹が痛くなりました。最高です。

N-Bプログラム
「なんで僕だけ」(多田昌平 Shohei Tada監督、2014年、23:00)は子供たちの微妙な関係を丁寧に描いています。「夕泣き」(中鉢貴啓ちゅうばち・たかひろ Takahiro Chubachi監督、2013年、14:10)は、魅力的な小樽を具体にした詩的なパッチワークが心地よい作品。極上のミュージカルビデオです。ラジオが緩やかに人をつないでいるのも嬉しいです。
「すず」(菱川勢一 Seiichi Hishikawa監督、2013年、23:00)は、富山県高岡市を舞台にした作品。映像がバシッと決まっています。流石です。制作意図は分かりますが、ラストの決意は不要でしょう。安っぽくなってしまいます。

N-Cプログラム
「寫眞館」(なかむら・たかし監督、2013年、16:44)。笑顔を引き出そうと努める写真館の主人の生涯を描いています。2014年のゆうばり国際映画祭でも観た作品です。丁寧な職人技を感じます。「ナイアガラ」(早川 千絵監督、 2014年、27:10)は、過酷な運命を象徴的に描きます。


札幌国際短編映画祭2014・インターナショナル部門

  • 2015.12.03 Thursday
  • 07:35




札幌国際短編映画祭2014のインターナショナル部門のプログラムです。

I-A女性におすすめ・プログラム
センスの良い作品が集められています。「バターランプ」(ウェイ・フゥー監督、2013年、16:00)は、チベット遊牧民の写真撮影風景。淡々とした展開ですが政治社会的な問題が浮き彫りになります。最優秀監督賞に輝きました。

I-B様々な出会い・プログラム
「私たちの受難」(トーマシュ・シリヴィンスキ監督、2013年、27:32)は、先天性の呼吸障がいCCHS(別名、オンディーヌの呪い)を持つ子供との生活を追ったドキュメント。

I-C心の神秘プログラム
「想定外の飛躍」(クリストフェル・ルス監督、2013年、13:00)は、高層ビル屋上でのブラックコメディ。

I-D喜怒哀楽プログラム
「ファー・ウエストー真の西部劇」(ウェスリー・ロドリゲス監督、2013年、18:25)は、スピード感あふれるアニメ。この切れ味はなかなかのものです。「夢なしでは生きられない」(キン・ロン・チャン監督、2013年、30:00)は、観客を感動させる役者を夢見る照明係の青年を描きます。監督自ら主演し熱演を見せます。

I-Eイマジネーションの扉・プログラム
様々なタイプの作品がまとめられています。どの作品も面白いのですが、抜きん出た作品はありませんでした。

I-F映画好きもびっくり・プログラム
「ストーリー・オブ・レボリューション」(マシュー・ヴァンダイク監督、2013年、14:29)は、シリア革命のドキュメンタリー。壮絶な映像の後に、強烈な皮肉が語られます。「ハバナ」(エドゥアール・サリエ監督、2014年、22:00)。作品部門のグランプリです。外国人部隊に制圧されたハバナが舞台。ドキュメンタリー・タッチで進むうちに予想外の映像が展開されます。ただ、そのアイデアに事前に気づいたので、驚きは少なかったです。

I-G不思議/好奇心プログラム
私にとっては、傑作ぞろいでした。「ビューティー」(リノ・ステーファノ・タジャフィエッロ監督、2014年、9:49)は、お気に入りの監督の新作。古典絵画がわずかに動くことで魔術的な官能美が生み出されます。その美しさに酔いました。

「ミルキー」(アンドレ=アン・ルセール監督、2014年、14:42)は、監督が目指したように五感全てを刺激する作品です。もう一捻り欲しかったです。「マイ・フレンド・ニーチェ」(ファウストン・デ・シルバ監督、2013年、15:00)は、ルーカス少年が偶然拾ったニーチェの「ツアラストラは各語りき」を何度も読み込みます。神の死後の超人思想を広めて、少年たちの共感を呼び危険視されます。次に拾ったのはマルクスの「共産党宣言」でした。

「陰の断片」(オリヴィエ・スモルダース監督、2014年、28:00)。写真家オスカー・ベネデックOskar Benedekの歴史と作品を追った作品。ショッキングな場面があるということで、数人の観客が上映前に退席しました。極めて重要な作品でした。隠された歴史の素肌に触れたようで、魂を揺さぶられました。

札幌国際短編映画祭2014・フィルムメーカー部門

  • 2015.12.03 Thursday
  • 07:14




2014年10月8日から13日まで開かれた札幌国際短編映画祭2014で、エントリー作品を中心に作品を見ました。多彩な作品を楽しみました。フィルムメーカー部門から。2014年はカナダ、韓国、イギリス、日本の4か国から4名の監督。映画監督が自分自身の作品を複数本選んで応募出来る、世界でも珍しいエントリー方式です。札幌国際短編映画祭らしい取り組みです。

F-Aプログラム
ソル・フリードマン(カナダ)監督の才能には、舌を巻きました。「じゅんこの三味線」(2010年、10:25)は、ユニークな様式美にあふれた労作。「アンドロイドのラブソング」(2012年、11:00)は、あっと驚くロボットもの。しかし、このロボットが活躍します。「40日」は、ノアの方舟を風刺したすさまじくブラックな作品。

チョン・ジヨン(韓国)監督。抜群の感性と映像センスを持っています。終わり方の見事なこと。少女漫画的味わいも、監督の容姿とマッチしています。「春に咲く」(2008年、20:00)は、思春期の少女の病的な潔癖性を繊細かつ大胆に描いています。「The Boy」(2013年、12:30)は、少年病という日本語のタイトルも素敵です。すごくよく分かります。「バースデイ」(2013年、25:00)の姉の誕生日に集まった人間関係の機微をすくい上げる手腕の確かさ。老練とも言える終わり方が素晴らしいです





F-Bプログラム
クリス・シェパード(イギリス)監督のアニメ作品「私は誰?何が欲しい?」は、どぎつ過ぎて評価が分かれるでしょう。しかし「リンガー」(2013年、17:00)は、実写とアニメが絶妙にマッチしています。グランプリを受賞しました。

A.T.(日本)監督は、映像が尖っていて、とにかくかっこいいです。 「シリコン;ブートドライブ」(2013年、9:30)は、サイバーな魅力です。「ストロボ」(2014年、23:55)は、ユーモアを交えた見事なドラマに仕上がっています。幅広い才能を感じます。

次は、ファミリー&チルドレン・プログラム。子供たちと一緒に、最高水準のアニメを観ているという実感があります。
「陽なたのアオシグレ」は、石田祐康監督作品。奔放な想像力と確かな技術に、感心しました。これからが楽しみな20代の若手監督です。

「ダム・キーパー」は、ピクサーで働いていた堤大介監督、ロバート・コンドウ監督の作品です。町を公害から守るため、毎日風車を回す子ブタくん。しっかりしたストーリーと高い水準のアニメ表現に、新しい可能性を感じます




映画「TOKYO TRIBE」は、園子温監督のやりたい放題の世界

  • 2015.12.02 Wednesday
  • 21:01




映画「TOKYO TRIBE」は、園子温監督のやりたい放題の世界です。
井上三太の人気コミック「TOKYO TRIBE2」を実写化しました。近未来都市を舞台に、ストリートギャングたちが抗争を繰り広げます。
なんといっても、ラップミュージカルに仕上げるというアイデアが素晴らしい。日本のHIP HOP界をけん引する有名ラッパーが大勢出演しています。さすがにうまいです。染谷将太など俳優たちもラップに挑戦していますが、やはりたどたどしさは抜けていません。

バラエティーに富んだキャスティングが楽しめますが、収穫だったのはヒューマンビートボックスを操る「サイボーグかおり」との出会いでした。口や鼻からの発声でレコードのスクラッチ音や、ベース音、リズムマシンのミキシングの音色加工や変化を全て1人で再現する技術を持つ人です。彼女の巧みなスクラッチ音が鳴り響くと、映像全体が彼女によって支配されました。

ストーリーはあってなきがごとし。暴れ回る映像を楽しむのか、嫌悪するのかは人それぞれでしょう。作品のできは、それほど良いとは思いませんが、B級映画を愛する園子温監督の姿勢は支持します。

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